畜産の記事一覧
放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー4|ボードゲーム誕生秘話
最後に、リリースまでの道のりを振り返りと、ご協力いただいた皆様への感謝、そして、今後の展望についてお話ししたいと思います。1.完成までを振り返って(ファームエイジ㈱ 大西 商品開発マネージャー) まさか、電気柵メーカーに入社して放牧のボードゲームを作成することになるとは、夢にも思いませんでした(笑)。はじめは突拍子もないアイディアだと思いましたが、酪農や農家さんを取り巻く環境を変えるには、今までにない新しい切り口が必要だという、共通認識が社内にはありました。多くの人に協力して頂くことで完成にまでこぎつけることができました。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。酪農や放牧に興味がある学生さんにはぜひ手に取ってほしいと思いますし、農業や環境に興味のある一般の方々にも、ぜひ一度プレイしていただけると嬉しいなと思います。まだ初版ですので、ルールやデザインも少しずつアップデートしていきながら、おもしろおかしく、放牧の価値をたくさんの方に届けていきたいと思います。2.社員もやってみる!みんなでデモプレイ!社内でもやってみました! 皆、不思議そうに眺めたり、サイコロを振ってみたり…最初は緊張気味でしたがゲームが進むにつれ、「わー豪雨発生したー」や「よーし、おれは牛よりも草地を増やすぞ~」など、いろんな声が聞こえてくるように。そこそこいい年齢の大人が集まってのプレイでしたが、気づけばあっという間に時間が過ぎて、普段自分たちがかかわっている放牧酪農を別角度から再確認できた、という声も聞くことができました。3.ここからがスタート。多くの人に手に取ってもらうために。(ファームエイジ㈱ 高田 副社長)ここまで、ボードゲームストーリーにお付き合いいただき、ありがとうございました。放牧は、日本においてはまだマイナーな畜産技術ですが、人と自然、牛が調和した素晴らしい生産方式の一つです。我々ファームエイジは40年にわたって、その普及や推進を行ってきましたが、まだ道半ば。どうすればもっと多くの人に知っていただけるかを考えた結果、今回のボードゲームの開発に行きつきました。このゲームは、現在の生産者さんだけでなく、跡継ぎの方や、これから新規就農を考えている方々だけを対象としたわけではありません。農家ではないけれど興味がある、将来農家をやってみたい学生さん、都会の主婦の方…垣根を越えて、いろんな方にこのゲームをプレイしていただき、少しでも放牧酪農を知るきっかけになってくれればと願っております。本ゲームは、弊社公式オンラインショップで販売していますので、ぜひそちらもご覧ください。販売サイトは >>> こちらバックナンバー・ストーリー1・ストーリー2・ストーリー3
放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー4|ボードゲーム誕生秘話
最後に、リリースまでの道のりを振り返りと、ご協力いただいた皆様への感謝、そして、今後の展望についてお話ししたいと思います。1.完成までを振り返って(ファームエイジ㈱ 大西 商品開発マネージャー) まさか、電気柵メーカーに入社して放牧のボードゲームを作成することになるとは、夢にも思いませんでした(笑)。はじめは突拍子もないアイディアだと思いましたが、酪農や農家さんを取り巻く環境を変えるには、今までにない新しい切り口が必要だという、共通認識が社内にはありました。多くの人に協力して頂くことで完成にまでこぎつけることができました。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。酪農や放牧に興味がある学生さんにはぜひ手に取ってほしいと思いますし、農業や環境に興味のある一般の方々にも、ぜひ一度プレイしていただけると嬉しいなと思います。まだ初版ですので、ルールやデザインも少しずつアップデートしていきながら、おもしろおかしく、放牧の価値をたくさんの方に届けていきたいと思います。2.社員もやってみる!みんなでデモプレイ!社内でもやってみました! 皆、不思議そうに眺めたり、サイコロを振ってみたり…最初は緊張気味でしたがゲームが進むにつれ、「わー豪雨発生したー」や「よーし、おれは牛よりも草地を増やすぞ~」など、いろんな声が聞こえてくるように。そこそこいい年齢の大人が集まってのプレイでしたが、気づけばあっという間に時間が過ぎて、普段自分たちがかかわっている放牧酪農を別角度から再確認できた、という声も聞くことができました。3.ここからがスタート。多くの人に手に取ってもらうために。(ファームエイジ㈱ 高田 副社長)ここまで、ボードゲームストーリーにお付き合いいただき、ありがとうございました。放牧は、日本においてはまだマイナーな畜産技術ですが、人と自然、牛が調和した素晴らしい生産方式の一つです。我々ファームエイジは40年にわたって、その普及や推進を行ってきましたが、まだ道半ば。どうすればもっと多くの人に知っていただけるかを考えた結果、今回のボードゲームの開発に行きつきました。このゲームは、現在の生産者さんだけでなく、跡継ぎの方や、これから新規就農を考えている方々だけを対象としたわけではありません。農家ではないけれど興味がある、将来農家をやってみたい学生さん、都会の主婦の方…垣根を越えて、いろんな方にこのゲームをプレイしていただき、少しでも放牧酪農を知るきっかけになってくれればと願っております。本ゲームは、弊社公式オンラインショップで販売していますので、ぜひそちらもご覧ください。販売サイトは >>> こちらバックナンバー・ストーリー1・ストーリー2・ストーリー3
放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー3|ボードゲーム誕生秘話
いよいよ形になってきたボードゲーム。でも、すべての課題をクリアしたわけではない。1.それぞれの意見 社員、社外、専門家ゲームが形になってきたので、開発チームは少しずつ完成に向けた動きを開始。だが、ここにきて関係者の意見に大きなバラツキがあった。「本当に酪農家さんができるのか?」や「ビジネスとしてはどうなのか?販売見込みは?」などの意見。他方、親しい放牧酪農家さんからも意見をもらっていたが、「放牧をゲームに表現するのは難しいのではないか」「もっと多くの要素が必要」などの意見が出ていた。ある程度予想はしていたものの、、、これらをどうまとめるか。2.もう一度問い直す 何のためのボードゲーム?※デモプレイの様子全員の納得感を優先すると、ゲームが複雑になる。一方、ゲームとしての要素だけだと、放牧や酪農の真の姿は見えづらくなってしまう。ここで開発チームが問い直したのは「何のためのボードゲームなのか」きっかけは、放牧をもっと世の中に広めたいという想いから。すべての意見や要素を詰め込むことはできなくはないが、目的の達成からは遠く離れてしまう。それぞれの意見、自分の想い、伝えたいこと。それぞれ分類・分解しながらも、開発チームは最後の仕上げにかかる。3.見えてきたデザイン ぐっとあがった完成度を見て・・※画像は試作段階のものデザイナーさんとの打ち合わせの日。今まで一緒にプレイしてもらいながら、いくつか試作版を持ってきてもらった。「いつも最初にお見せするこの瞬間が緊張するんですけど・・・・」と苦笑いしながら、デザイン案を見せていただく。「おぉ~」開発チームからも、歓声があがる。今までは社内で印刷やラミネートで施策版を使ってきたが、今回は、完成に近づけたイメージで作りこんできた。ここまで苦労して作ってきたものがそれなりの完成度になってくると、感慨もひとしお。まだ何かを成し遂げたわけではないが、ここにいるみんなが嬉しそうに笑い、リリースを心待ちにしている。その光景だけで、胸がいっぱいになった。4.協力機関と最終調整ゲーム作り以外にも準備が必要。まずはSNSやウェブ上の媒体からリリースの準備。もともとSNSに力を入れていたので、前々から準備は行ってきた。また梱包や配送など、実際に手に届ける調整も開始。これまで悩み、苦しみながら考え抜いてきたボードゲームの開発にも終わりが見えると、不思議と寂しさがこみ上げる。次回はいよいよ、完成とリリースのお話!!バックナンバー・ストーリー1・ストーリー2
放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー3|ボードゲーム誕生秘話
いよいよ形になってきたボードゲーム。でも、すべての課題をクリアしたわけではない。1.それぞれの意見 社員、社外、専門家ゲームが形になってきたので、開発チームは少しずつ完成に向けた動きを開始。だが、ここにきて関係者の意見に大きなバラツキがあった。「本当に酪農家さんができるのか?」や「ビジネスとしてはどうなのか?販売見込みは?」などの意見。他方、親しい放牧酪農家さんからも意見をもらっていたが、「放牧をゲームに表現するのは難しいのではないか」「もっと多くの要素が必要」などの意見が出ていた。ある程度予想はしていたものの、、、これらをどうまとめるか。2.もう一度問い直す 何のためのボードゲーム?※デモプレイの様子全員の納得感を優先すると、ゲームが複雑になる。一方、ゲームとしての要素だけだと、放牧や酪農の真の姿は見えづらくなってしまう。ここで開発チームが問い直したのは「何のためのボードゲームなのか」きっかけは、放牧をもっと世の中に広めたいという想いから。すべての意見や要素を詰め込むことはできなくはないが、目的の達成からは遠く離れてしまう。それぞれの意見、自分の想い、伝えたいこと。それぞれ分類・分解しながらも、開発チームは最後の仕上げにかかる。3.見えてきたデザイン ぐっとあがった完成度を見て・・※画像は試作段階のものデザイナーさんとの打ち合わせの日。今まで一緒にプレイしてもらいながら、いくつか試作版を持ってきてもらった。「いつも最初にお見せするこの瞬間が緊張するんですけど・・・・」と苦笑いしながら、デザイン案を見せていただく。「おぉ~」開発チームからも、歓声があがる。今までは社内で印刷やラミネートで施策版を使ってきたが、今回は、完成に近づけたイメージで作りこんできた。ここまで苦労して作ってきたものがそれなりの完成度になってくると、感慨もひとしお。まだ何かを成し遂げたわけではないが、ここにいるみんなが嬉しそうに笑い、リリースを心待ちにしている。その光景だけで、胸がいっぱいになった。4.協力機関と最終調整ゲーム作り以外にも準備が必要。まずはSNSやウェブ上の媒体からリリースの準備。もともとSNSに力を入れていたので、前々から準備は行ってきた。また梱包や配送など、実際に手に届ける調整も開始。これまで悩み、苦しみながら考え抜いてきたボードゲームの開発にも終わりが見えると、不思議と寂しさがこみ上げる。次回はいよいよ、完成とリリースのお話!!バックナンバー・ストーリー1・ストーリー2
ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト 放牧オンラインセミナー2025春 開催レポート
2025年5月9日、ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が主体となる「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト」にて、放牧酪農セミナー2025春を開催しました。当日は酪農家、関係団体など、北海道のみならず全国から50名程の方にご参加いただきました。 今回のセミナーでは、自給飼料の活用、所得向上と時間効率化、技術の普及とモチベーション維持といった重要なポイントに加え、特に「ファームウォーク」という概念に焦点が当てられました。1.ニュージーランド酪農の現状と「ファームウォーク」の重要性 和田氏1-1. ニュージーランド酪農の特性と経営の背景 和田さんは、まず自身の経歴とニュージーランドでの酪農経験を紹介し、同国の酪農産業の現状について説明しました。ニュージーランドの酪農は、国際乳価の変動による影響を受けやすく、酪農家の収入に大きく影響します。しかしながら、乳価が低かった時代でも高い収益性を維持していた背景には、放牧畜産システムと季節繁殖という、効率性に優れた酪農モデルの存在があったことを強調しました。1-2. ファームウォークによる放牧管理と経営の最適化 次に、和田さんは放牧草について、購入飼料と比べて大幅なコスト削減が可能であることを説明しました。そして、自身が経営するポプラファームでの放牧管理の手法を紹介し、その中心にあるのが「ファームウォーク」であると述べました。ファームウォークとは、ライジングプレートメーター(以下RPA)を用いて草量を測定し、放牧計画や飼料管理に活かす管理手法です。RPAによって得た情報をアベレージ・パスチャーカバー(APC)として数値化し、日々の牛の必要飼料量と比較します。そうすることで、放牧ローテーションや移動電気柵の移設、残草量の確認を行っています。また、和田さんは、草地管理を怠るとどのような影響ができるかについても、具体的な事例をしました。自身の牧場で、わずか2週間管理を怠ったことで、30万〜40万ドルの損失が発生したというのです。このデータは参加者に対してもインパクトが大きく、データに基づく精密な管理の重要性を強く訴えました。2.北海道におけるニュージーランド放牧技術の実践 高原牧場代表 高原氏2-1.ニュージーランド技術の導入と成果高原氏は、北海道天塩町での自身の酪農経営において、ニュージーランドの酪農技術、特に「ファームウォーク」の考え方を積極的に導入した事例を紹介しました。ニュージーランドとは規模や自然環境が異なることを認識しつつも、「自分たちの環境にどう落とし込めるか」を常に考え、前向きに技術を取り入れてきたと話しています。その結果、放牧による乳量の増加、飼料コストの削減、農業所得の安定化といった成果を実現。特に、以前はわずかであった草からの乳量が、プロジェクト参加以降大きく増え、現在では年間乳量の半分以上を自給飼料で確保できるようになったと、具体的な数値を交えて説明しました。2-2.改善志向と現場主義が支える持続可能な放牧管理以前勤めていた自動車メーカーで培った「改善意識」や「PDCAサイクル」の考え方を、酪農経営に応用していると述べていました。放牧地の状況を測定した上で、即座に判断・対応する迅速な意思決定を重視しており、これは日々のローテーション管理において特に重要なポイントとしています。さらに、新規就農者とのファームウォークを通じたデータ共有・分析の事例を紹介しました。地域や土壌条件の違いを踏まえながら、「大切なのは、上に生えている牧草が何かを見極め、それをどう活かすかが重要」であると強調しました。また、牧草の成長段階に応じたローテーション管理や、春先の急激な草の成長(スプリングフラッシュ)への対応など、実践的な管理方法にも触れ、現場に根ざした改善型経営の有効性を示しました。3.質疑応答(一部を抜粋)Q|NZでは温暖化の影響はありますか?A|和田さん:そうですね。特にカンタベリー地方において、以前は4~6月にかけて草の成長がかなり鈍っていました。ところが、最近では4~5月でもかなり草が育ちますし、6~7月も年によっては15kgDM/ha程度成長することもあり、明らかに気温が上がってきた実感があります。A|高原さん:こちらはどちらかというと、気温の上昇というよりも、「長雨」が増えてきた印象があります。以前は6月上旬に1番草を収穫するのが通例でしたが、ちょうどその時期に雨が重なるようになり、作業のタイミングがどんどんズレてきています。Q|ファームウォークには個人の草地を見る技術や経験値がとても重要になるように感じました。1日に2回見ることもあるとのことでしたが、その様な条件の中で休暇の確保やワークライフバランスをどのように確保しているのでしょうか。NZではその辺りも含めて手法が確立されているのでしょうか?A|和田さん:理想は毎日自ら草地を確認することですが、家族との時間も重視し、信頼できる従業員に業務を委任する体制を整えています。放牧計画を共有することで、チームでの協働が可能となり、効率的な運営とワークライフバランスが実現できています。また、フィードウェッジ(飼料供給計画)を活用することで、管理の標準化が進み、オーナーが不在でも牧場が問題なく回る仕組みが確立されています。さらに、ニュージーランドでは季節繁殖が基本であり、冬期に搾乳を行わないため、長期休暇の取得も可能になっています。Q|日本や北海道で、酪農経営をどこまで学べるのか?新規就農者にはどんな心構えが必要かA|高原さん:私は、新規就農にあたって大切なことは、(1)覚悟、(2)理論武装(知識の習得)、(3)マインドセット(前向きな姿勢)の3点だと思っています。特にマインドセットは、困難な状況でも前向きに捉える強さを持つこと。日本の酪農では補助飼料が豊富で、“そこそこ”やれてしまう環境があります。だからこそ、あえて上を目指す意識、自分の経営をより良くしていこうという気持ちを持てるかが重要だと思います。A|和田さん:ニュージーランド人の良いところは、“固定観念がない”ことだと思います。いいものがあれば、すぐに取り入れる柔軟さと切り替えの早さがあるんです。例えば南島では、以前は100年も続いた羊農家が、「酪農の方が収益が上がる」と分かった途端に、すぐに酪農に切り替えたりしています。日本でも、例えば高原さんの経営のように、「放牧で収益が上がっている」という事実があるのなら、それを見て“良いものは良い”と素直に認めて学ぶ姿勢が大事だと思います。おそらくニュージーランド人が日本で酪農をしていたら、高原さんの方法を見て、10人中9人はすぐに放牧に切り替えると思いますよ。4.まとめ4-1.酪農を“作業”から“ビジネス”へ:利益を生む牧場経営の鍵 キース・ベタリッジ氏キース氏は酪農を単なる作業ではなくビジネスとして捉え、自給飼料の最大限の活用と利益の最大化を目指すべきであると強調しました。そのためには、過去の慣習に捉われず、常に最新の知識を取り入れ、農場から得られる正確なデータに基づいて経営判断を行うことが不可欠であると述べました。特に、高品質なサイレージ生産、放牧草の効率的な管理と摂取量の最大化、そして市場や牧草の状態変化に合わせた柔軟なプランの見直しと最適化の重要性を指摘しました。4-2.セミナー全体を振り返って ファームエイジ㈱ 高田最後にセミナー全体を振り返り、「自給飼料の活用」「所得向上」「時間効率」、そして「ファームウォーク」が重要なキーワードであったと改めて強調しました。ニュージーランドの技術が北海道でも十分に活用できる可能性を示唆し、今後ファームウォークの実践機会の提供や、具体的な数値を活用した装置管理技術に関する対話の場を設けていく意向を示しました。持続可能な酪農の実現に向け、今後もセミナーを通じて情報共有と議論を継続していくことを伝え、セミナーは終了しました。5.次回の開催について日程が確定次第、HP、SNS上などでご案内差し上げます。また、記事についてご不明点などございましたら、以下の問合せ先までご連絡ください。
ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト 放牧オンラインセミナー2025春 開催レポート
2025年5月9日、ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が主体となる「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト」にて、放牧酪農セミナー2025春を開催しました。当日は酪農家、関係団体など、北海道のみならず全国から50名程の方にご参加いただきました。 今回のセミナーでは、自給飼料の活用、所得向上と時間効率化、技術の普及とモチベーション維持といった重要なポイントに加え、特に「ファームウォーク」という概念に焦点が当てられました。1.ニュージーランド酪農の現状と「ファームウォーク」の重要性 和田氏1-1. ニュージーランド酪農の特性と経営の背景 和田さんは、まず自身の経歴とニュージーランドでの酪農経験を紹介し、同国の酪農産業の現状について説明しました。ニュージーランドの酪農は、国際乳価の変動による影響を受けやすく、酪農家の収入に大きく影響します。しかしながら、乳価が低かった時代でも高い収益性を維持していた背景には、放牧畜産システムと季節繁殖という、効率性に優れた酪農モデルの存在があったことを強調しました。1-2. ファームウォークによる放牧管理と経営の最適化 次に、和田さんは放牧草について、購入飼料と比べて大幅なコスト削減が可能であることを説明しました。そして、自身が経営するポプラファームでの放牧管理の手法を紹介し、その中心にあるのが「ファームウォーク」であると述べました。ファームウォークとは、ライジングプレートメーター(以下RPA)を用いて草量を測定し、放牧計画や飼料管理に活かす管理手法です。RPAによって得た情報をアベレージ・パスチャーカバー(APC)として数値化し、日々の牛の必要飼料量と比較します。そうすることで、放牧ローテーションや移動電気柵の移設、残草量の確認を行っています。また、和田さんは、草地管理を怠るとどのような影響ができるかについても、具体的な事例をしました。自身の牧場で、わずか2週間管理を怠ったことで、30万〜40万ドルの損失が発生したというのです。このデータは参加者に対してもインパクトが大きく、データに基づく精密な管理の重要性を強く訴えました。2.北海道におけるニュージーランド放牧技術の実践 高原牧場代表 高原氏2-1.ニュージーランド技術の導入と成果高原氏は、北海道天塩町での自身の酪農経営において、ニュージーランドの酪農技術、特に「ファームウォーク」の考え方を積極的に導入した事例を紹介しました。ニュージーランドとは規模や自然環境が異なることを認識しつつも、「自分たちの環境にどう落とし込めるか」を常に考え、前向きに技術を取り入れてきたと話しています。その結果、放牧による乳量の増加、飼料コストの削減、農業所得の安定化といった成果を実現。特に、以前はわずかであった草からの乳量が、プロジェクト参加以降大きく増え、現在では年間乳量の半分以上を自給飼料で確保できるようになったと、具体的な数値を交えて説明しました。2-2.改善志向と現場主義が支える持続可能な放牧管理以前勤めていた自動車メーカーで培った「改善意識」や「PDCAサイクル」の考え方を、酪農経営に応用していると述べていました。放牧地の状況を測定した上で、即座に判断・対応する迅速な意思決定を重視しており、これは日々のローテーション管理において特に重要なポイントとしています。さらに、新規就農者とのファームウォークを通じたデータ共有・分析の事例を紹介しました。地域や土壌条件の違いを踏まえながら、「大切なのは、上に生えている牧草が何かを見極め、それをどう活かすかが重要」であると強調しました。また、牧草の成長段階に応じたローテーション管理や、春先の急激な草の成長(スプリングフラッシュ)への対応など、実践的な管理方法にも触れ、現場に根ざした改善型経営の有効性を示しました。3.質疑応答(一部を抜粋)Q|NZでは温暖化の影響はありますか?A|和田さん:そうですね。特にカンタベリー地方において、以前は4~6月にかけて草の成長がかなり鈍っていました。ところが、最近では4~5月でもかなり草が育ちますし、6~7月も年によっては15kgDM/ha程度成長することもあり、明らかに気温が上がってきた実感があります。A|高原さん:こちらはどちらかというと、気温の上昇というよりも、「長雨」が増えてきた印象があります。以前は6月上旬に1番草を収穫するのが通例でしたが、ちょうどその時期に雨が重なるようになり、作業のタイミングがどんどんズレてきています。Q|ファームウォークには個人の草地を見る技術や経験値がとても重要になるように感じました。1日に2回見ることもあるとのことでしたが、その様な条件の中で休暇の確保やワークライフバランスをどのように確保しているのでしょうか。NZではその辺りも含めて手法が確立されているのでしょうか?A|和田さん:理想は毎日自ら草地を確認することですが、家族との時間も重視し、信頼できる従業員に業務を委任する体制を整えています。放牧計画を共有することで、チームでの協働が可能となり、効率的な運営とワークライフバランスが実現できています。また、フィードウェッジ(飼料供給計画)を活用することで、管理の標準化が進み、オーナーが不在でも牧場が問題なく回る仕組みが確立されています。さらに、ニュージーランドでは季節繁殖が基本であり、冬期に搾乳を行わないため、長期休暇の取得も可能になっています。Q|日本や北海道で、酪農経営をどこまで学べるのか?新規就農者にはどんな心構えが必要かA|高原さん:私は、新規就農にあたって大切なことは、(1)覚悟、(2)理論武装(知識の習得)、(3)マインドセット(前向きな姿勢)の3点だと思っています。特にマインドセットは、困難な状況でも前向きに捉える強さを持つこと。日本の酪農では補助飼料が豊富で、“そこそこ”やれてしまう環境があります。だからこそ、あえて上を目指す意識、自分の経営をより良くしていこうという気持ちを持てるかが重要だと思います。A|和田さん:ニュージーランド人の良いところは、“固定観念がない”ことだと思います。いいものがあれば、すぐに取り入れる柔軟さと切り替えの早さがあるんです。例えば南島では、以前は100年も続いた羊農家が、「酪農の方が収益が上がる」と分かった途端に、すぐに酪農に切り替えたりしています。日本でも、例えば高原さんの経営のように、「放牧で収益が上がっている」という事実があるのなら、それを見て“良いものは良い”と素直に認めて学ぶ姿勢が大事だと思います。おそらくニュージーランド人が日本で酪農をしていたら、高原さんの方法を見て、10人中9人はすぐに放牧に切り替えると思いますよ。4.まとめ4-1.酪農を“作業”から“ビジネス”へ:利益を生む牧場経営の鍵 キース・ベタリッジ氏キース氏は酪農を単なる作業ではなくビジネスとして捉え、自給飼料の最大限の活用と利益の最大化を目指すべきであると強調しました。そのためには、過去の慣習に捉われず、常に最新の知識を取り入れ、農場から得られる正確なデータに基づいて経営判断を行うことが不可欠であると述べました。特に、高品質なサイレージ生産、放牧草の効率的な管理と摂取量の最大化、そして市場や牧草の状態変化に合わせた柔軟なプランの見直しと最適化の重要性を指摘しました。4-2.セミナー全体を振り返って ファームエイジ㈱ 高田最後にセミナー全体を振り返り、「自給飼料の活用」「所得向上」「時間効率」、そして「ファームウォーク」が重要なキーワードであったと改めて強調しました。ニュージーランドの技術が北海道でも十分に活用できる可能性を示唆し、今後ファームウォークの実践機会の提供や、具体的な数値を活用した装置管理技術に関する対話の場を設けていく意向を示しました。持続可能な酪農の実現に向け、今後もセミナーを通じて情報共有と議論を継続していくことを伝え、セミナーは終了しました。5.次回の開催について日程が確定次第、HP、SNS上などでご案内差し上げます。また、記事についてご不明点などございましたら、以下の問合せ先までご連絡ください。
放牧は儲かる農業?!収支シミュレーションを使って徹底解説
飼料高騰や物価高騰の影響を受け、厳しさを増していく酪農経営。そんな中、放牧酪農の価値が見直されつつあります。コストカットや家畜の健康増進など、取り組むことで様々なメリットが得られますが、成功のために押さえておくべきポイントがいくつかあります。この記事では・知っておくべき放牧に関する基礎知識(メリット・デメリット)・どうすれば”儲かる放牧酪農”ができるのか・成功を分けるカギ?放牧簡易シミュレーター・導入事例についてご紹介します。1.放牧とは 放牧(ほうぼく)とは、牛や馬などの家畜を畜舎(ちくしゃ:家畜が生活する施設)ではない環境で飼うことを意味します。草地などの広い場所でのびのびと放牧するイメージが一般的かもしれませんが、家畜の種類や頭数、放牧できる草地面積や人員などの条件によって、そのスタイルは様々です。2.放牧のメリットとデメリット(舎飼いとの比較)放牧には多くのメリットがありますが、専門知識や、事前に確認・情報収集が必要な留意点があります。主な点が以下の通りになります。※日本草地畜産種子協会 放牧アドバイザー 須藤純一氏の資料より引用3.放牧で儲けるために!抑えるべきポイント 放牧といえど、やり方によって収益が異なってきます。主なポイントをご紹介します。3-1.放牧の種類(集約 or 大牧区放牧)大牧区放牧(粗放牧)は、広大な草地の中で放牧するスタイルです。牛たちは自分の意志で自由な場所に行って、草を食んだり、休息したりできます。草地の外周は電気柵や金網で囲まれており、1牧区あたりの面積は数ha~数十haと広大です。集約放牧は、草地をいくつかの牧区(ぼっく)に区切って、放牧するスタイルです。栄養価の高い草丈まで成長してきたころを見計らって、次の牧区に移動して、草の食べ残しがないようローテーションさせていく方式です。1牧区あたりの面積は1ha未満になる場合もあります。3-2.柵の種類 一般的には、金網などのフェンスや恒久電気柵で、ぐるっと一周 放牧地を囲みます。集約放牧は、フェンスで囲まれた牧区をさらに、移動電気柵などで区切っていきます。面積や頭数、草地の状況にあわせて、区切る面積を調整します。従って、集約放牧のほうが、柵への投資額は基本的に大きくなります。参考商品 パドック放牧200セット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら パドック放牧200ソーラーセット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら3-3.水槽の設置 私たち人間も、食事をする際には、水や飲み物と一緒に食事をとりますよね。水がないと、食事が進みづらいという経験はないでしょうか。動物にとっても同じ事がいえます。放牧地に適切な数・大きさの水槽を置くことで、牧草の食い込みが良くなります。(出典:牛の引水環境を改善し肥育期の像隊安定化を目指す|全農 ちくさんクラブ)参考商品 家畜用水槽トロフ260リットル ご購入はこちら 角型水槽トロフ130リットル ご購入はこちら その他製品は >>>こちら牧草の食い込みが良くなれば、毎日の乳生産量も増える傾向にあります。また、牛乳の85%以上は水分でできているので、水を飲むことで乳生産は増える傾向にあります。人によっては、乳生産で最も安い飼料は「水」だと言う方もいらっしゃいます。これは、放牧を取り入れている農家さんだけでなく、舎飼いの農家さんにも言えることです。参考記事:【 放牧 水 】知らずに損してる?放牧地に水槽を設置するメリット、ポイントをご紹介3-4.頭数と草地 たとえば、頭数に対して放牧地面積が広すぎると、草の食べ残しが起きてしまいます。その結果、牛に食べられる旬を逃した草はどんどん生長して固くなり最終的に人が刈り取り掃除しなければならなくなります。また、草の伸び過ぎは、牧草地の草の密度を下げる原因になってしまうため、面積あたりで得られる草の生産量が減ってしまいます。一方で、頭数に対して適正な放牧地面積で放牧した場合、食べ残しは少なく、牧草品種によっては放牧地の草の密度UPにもつながります。 ライジングプレートメーター(デジタル式) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら3-5.乳飼比 乳生産において最も大きなコストが「飼料」といわれており、乳代(ミルクの売上金額)に対して飼料コストがどれだけかかったかを示す「乳飼比」という数値があります。乳飼比の数値が低いほど、収益が高い傾向にあり、良い経営状態といえます。放牧を導入し、栄養価の高い草を食べさせることで飼料コストが下がるので、乳飼比を低くすることができます。ところが、放牧導入しても、放牧せず畜舎内だけで飼育している場合(舎飼い)と乳飼比がほとんど変わらないケースがあります。その場合、放牧のやり方を変えることで経営状態を改善できる可能性があります。4.放牧成功事例と無料で使えるツール4-1.放牧シミュレーター いくつかの条件を入れることで、どれぐらいの投資が必要なのか、何年ぐらいで償却できるのかが試算できます。これから放牧導入を検討されている方や、営農計画を立てるうえでの検討資料になるでしょう。また、専門スタッフが情報をもとにさらに詳細なアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。詳細は >>> こちら4-2.高原牧場物語NZ北海道酪農協力プロジェクトを経て、見事に経営を改善し、農林水産大臣賞を受賞するにまで至った放牧酪農サクセスストーリー。高原様の実体験や声を取材し、どのような改善や取り組みを行い、どのように経営改善されたかを数値に至るまでまとめた一冊です。詳細は >>> こちら4-3.【舎飼いから放牧に転換して】放牧酪農家:馬場牧場さん/北海道由仁町 (ファームファイル01/FarmFile01)北海道由仁町の放牧酪農家 馬場敏さんに密着し、舎飼いから放牧酪農に切り替えた理由、放牧で学んだこと、農業に携わる方へのメッセージをいただきました。放牧酪農家を志す方々だけでなく、多くの方にご覧いただければと思います。詳細は...
放牧は儲かる農業?!収支シミュレーションを使って徹底解説
飼料高騰や物価高騰の影響を受け、厳しさを増していく酪農経営。そんな中、放牧酪農の価値が見直されつつあります。コストカットや家畜の健康増進など、取り組むことで様々なメリットが得られますが、成功のために押さえておくべきポイントがいくつかあります。この記事では・知っておくべき放牧に関する基礎知識(メリット・デメリット)・どうすれば”儲かる放牧酪農”ができるのか・成功を分けるカギ?放牧簡易シミュレーター・導入事例についてご紹介します。1.放牧とは 放牧(ほうぼく)とは、牛や馬などの家畜を畜舎(ちくしゃ:家畜が生活する施設)ではない環境で飼うことを意味します。草地などの広い場所でのびのびと放牧するイメージが一般的かもしれませんが、家畜の種類や頭数、放牧できる草地面積や人員などの条件によって、そのスタイルは様々です。2.放牧のメリットとデメリット(舎飼いとの比較)放牧には多くのメリットがありますが、専門知識や、事前に確認・情報収集が必要な留意点があります。主な点が以下の通りになります。※日本草地畜産種子協会 放牧アドバイザー 須藤純一氏の資料より引用3.放牧で儲けるために!抑えるべきポイント 放牧といえど、やり方によって収益が異なってきます。主なポイントをご紹介します。3-1.放牧の種類(集約 or 大牧区放牧)大牧区放牧(粗放牧)は、広大な草地の中で放牧するスタイルです。牛たちは自分の意志で自由な場所に行って、草を食んだり、休息したりできます。草地の外周は電気柵や金網で囲まれており、1牧区あたりの面積は数ha~数十haと広大です。集約放牧は、草地をいくつかの牧区(ぼっく)に区切って、放牧するスタイルです。栄養価の高い草丈まで成長してきたころを見計らって、次の牧区に移動して、草の食べ残しがないようローテーションさせていく方式です。1牧区あたりの面積は1ha未満になる場合もあります。3-2.柵の種類 一般的には、金網などのフェンスや恒久電気柵で、ぐるっと一周 放牧地を囲みます。集約放牧は、フェンスで囲まれた牧区をさらに、移動電気柵などで区切っていきます。面積や頭数、草地の状況にあわせて、区切る面積を調整します。従って、集約放牧のほうが、柵への投資額は基本的に大きくなります。参考商品 パドック放牧200セット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら パドック放牧200ソーラーセット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら3-3.水槽の設置 私たち人間も、食事をする際には、水や飲み物と一緒に食事をとりますよね。水がないと、食事が進みづらいという経験はないでしょうか。動物にとっても同じ事がいえます。放牧地に適切な数・大きさの水槽を置くことで、牧草の食い込みが良くなります。(出典:牛の引水環境を改善し肥育期の像隊安定化を目指す|全農 ちくさんクラブ)参考商品 家畜用水槽トロフ260リットル ご購入はこちら 角型水槽トロフ130リットル ご購入はこちら その他製品は >>>こちら牧草の食い込みが良くなれば、毎日の乳生産量も増える傾向にあります。また、牛乳の85%以上は水分でできているので、水を飲むことで乳生産は増える傾向にあります。人によっては、乳生産で最も安い飼料は「水」だと言う方もいらっしゃいます。これは、放牧を取り入れている農家さんだけでなく、舎飼いの農家さんにも言えることです。参考記事:【 放牧 水 】知らずに損してる?放牧地に水槽を設置するメリット、ポイントをご紹介3-4.頭数と草地 たとえば、頭数に対して放牧地面積が広すぎると、草の食べ残しが起きてしまいます。その結果、牛に食べられる旬を逃した草はどんどん生長して固くなり最終的に人が刈り取り掃除しなければならなくなります。また、草の伸び過ぎは、牧草地の草の密度を下げる原因になってしまうため、面積あたりで得られる草の生産量が減ってしまいます。一方で、頭数に対して適正な放牧地面積で放牧した場合、食べ残しは少なく、牧草品種によっては放牧地の草の密度UPにもつながります。 ライジングプレートメーター(デジタル式) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら3-5.乳飼比 乳生産において最も大きなコストが「飼料」といわれており、乳代(ミルクの売上金額)に対して飼料コストがどれだけかかったかを示す「乳飼比」という数値があります。乳飼比の数値が低いほど、収益が高い傾向にあり、良い経営状態といえます。放牧を導入し、栄養価の高い草を食べさせることで飼料コストが下がるので、乳飼比を低くすることができます。ところが、放牧導入しても、放牧せず畜舎内だけで飼育している場合(舎飼い)と乳飼比がほとんど変わらないケースがあります。その場合、放牧のやり方を変えることで経営状態を改善できる可能性があります。4.放牧成功事例と無料で使えるツール4-1.放牧シミュレーター いくつかの条件を入れることで、どれぐらいの投資が必要なのか、何年ぐらいで償却できるのかが試算できます。これから放牧導入を検討されている方や、営農計画を立てるうえでの検討資料になるでしょう。また、専門スタッフが情報をもとにさらに詳細なアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。詳細は >>> こちら4-2.高原牧場物語NZ北海道酪農協力プロジェクトを経て、見事に経営を改善し、農林水産大臣賞を受賞するにまで至った放牧酪農サクセスストーリー。高原様の実体験や声を取材し、どのような改善や取り組みを行い、どのように経営改善されたかを数値に至るまでまとめた一冊です。詳細は >>> こちら4-3.【舎飼いから放牧に転換して】放牧酪農家:馬場牧場さん/北海道由仁町 (ファームファイル01/FarmFile01)北海道由仁町の放牧酪農家 馬場敏さんに密着し、舎飼いから放牧酪農に切り替えた理由、放牧で学んだこと、農業に携わる方へのメッセージをいただきました。放牧酪農家を志す方々だけでなく、多くの方にご覧いただければと思います。詳細は...
人手不足・コスト増…厳しい酪農経営を打破する?! ニュージーランド哺育技術とは
本記事では、 日本の哺育現場が抱える課題と、ニュージーランドの哺育技術から学べるポイントを比較 しながら、 より効率的な哺育方法や経営改善のヒント をご紹介します。1.日本における哺育の課題と現状 ここでは主なものをご紹介します。・人手不足 酪農・畜産業界においても人手が不足しています。ここ数年は離農(りのう)する農家さんの数は増え続けており、それに対し新規就農する若手はごくわずかです。令和6年(2024年)の北海道の統計によると、”1年間に新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、224戸の減少となった。”とあり、以前より厳しさを増していることが伺えます。(引用:北海道における酪農経営の離脱状況について(令和5年2月1日~令和6年1月31日|)・飼料や代用乳などのコスト上昇 世界情勢や円安などの影響で、さまざまなコストが上昇しています。特に代用乳に使う粉ミルク代は餌の中でも高く、コロナ前と比較すると、金額は倍近くになっているそうです。(※弊社スタッフ聞き取り)これを毎月のように、1頭あたりに消費しますので、子牛がたくさんいる農場においては、深刻な課題といえます。・市場価格の低迷 前述した通り、コスト上昇の影響や国内需要の低迷により、繁殖農家の経営をひっ迫しています。さらに、こうした要因によって離農がすすみ、地域の市場がさらに縮小される悪循環が起きることが懸念されています。(出典:畜産王国を襲う子牛市場の異変 日本一目指す内田畜産の「危機感」 - Think都城)・専門知識や技術の継承 マニュアル化されている情報も多くありますが、やはりどうしても人の手を掛けて行う作業が多いため、熟練のスタッフと新人スタッフの技術差は生じやすいでしょう。2.ニュージーランドの哺育技術ニュージーランド(以下NZ)の哺育技術が優れている点は多くあり、日本とは大きく異なっているため、驚かれる方も少なくありません。ここでは主なポイントをご紹介します。2-1.季節分娩(季節繁殖) 日本では年間を通じて子牛が生まれますが、NZでは春先に子牛が生まれます。これにより、少人数でも多くの子牛を集中的に管理することができます。また、ニュージーランドでは、放牧が主体です。分娩時期を春先に調整することで、放牧草の成長と子牛の成長のピークをあわせることができ、牧草を最大限に活用した放牧ができます。2-2.放牧地で子牛を産み、育てる これには理由があり、分娩房ではなく分娩牧区で管理をするほうが「経済的」という考え方です。 NZで牛舎管理は時間や労力がかかり、「経済的でない」という考え方のため、牛舎がない農家もあるそうです。2-3.冷たいミルクをそのまま与える ミルクも放牧地で給与されます。ピーチティートがたくさんついたタンクのようなタイプで、一気にミルクを与えます。日本とは異なり、NZでは冷たいミルクをそのまま与えるそうです。参考商品 ピーチボトル・ハンギングミルク用交換用乳首 ご購入はこちら ピーチボトル用交換用乳首(キャップ付) ご購入はこちら 2-4.放牧に適した胃づくりに力を入れている 放牧が主体のNZでは、牧草をしっかりと食べて、栄養を吸収できる牛であることが大切です。そのため子牛の頃から胃づくりには力を入れています。ファイバースタートというアルファルファを主体とした高栄養発酵繊維飼料です。国内でも既に多くのユーザーがおり、厚くて硬いルーメンマットができることで、強い反芻がおき、下痢が起きにくい胃が作られます。参考商品 ファイバースタート 20kg ご購入はこちら ファイバーゲイン 20kg ご購入はこちら その他製品は >>>こちら2-5.体重測定による数値に基づいた管理を行っている これは子牛のみに限らず、成長をモニタリングする過程で取り入れられています。目視や経験によって判断することもできますが、どうしても人によってバラツキが出たり、感覚に頼らなければいけない部分が増えます。こうした部分を、数値ではっきりと管理し、成長に課題がある個体には追加の対策や管理方法の変更などが取られます。参考商品 イージーウェイ7i (※測定器のみ) ご購入はこちら ロードバーMP600 (幅600mmタイプ/2本セット) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら3.NZの具体例 ダンカンさん(ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクト オンラインセミナーより) 弊社が協力しているプロジェクトにて、NZの酪農家から子牛育成のノウハウを共有するオンラインセミナーを開催いたしました。当日お話しいただいたNZ酪農家のダンカンさんは、500頭規模の牧場で、130頭の子牛がおりますが、従業員数はたったの3名です。さらに、死亡する個体はほとんどおりません。なぜ、このような最低限の人数でも最大限の収益を上げる経営を実現できているのかについて、お話しいただきました。詳しくは...
人手不足・コスト増…厳しい酪農経営を打破する?! ニュージーランド哺育技術とは
本記事では、 日本の哺育現場が抱える課題と、ニュージーランドの哺育技術から学べるポイントを比較 しながら、 より効率的な哺育方法や経営改善のヒント をご紹介します。1.日本における哺育の課題と現状 ここでは主なものをご紹介します。・人手不足 酪農・畜産業界においても人手が不足しています。ここ数年は離農(りのう)する農家さんの数は増え続けており、それに対し新規就農する若手はごくわずかです。令和6年(2024年)の北海道の統計によると、”1年間に新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、224戸の減少となった。”とあり、以前より厳しさを増していることが伺えます。(引用:北海道における酪農経営の離脱状況について(令和5年2月1日~令和6年1月31日|)・飼料や代用乳などのコスト上昇 世界情勢や円安などの影響で、さまざまなコストが上昇しています。特に代用乳に使う粉ミルク代は餌の中でも高く、コロナ前と比較すると、金額は倍近くになっているそうです。(※弊社スタッフ聞き取り)これを毎月のように、1頭あたりに消費しますので、子牛がたくさんいる農場においては、深刻な課題といえます。・市場価格の低迷 前述した通り、コスト上昇の影響や国内需要の低迷により、繁殖農家の経営をひっ迫しています。さらに、こうした要因によって離農がすすみ、地域の市場がさらに縮小される悪循環が起きることが懸念されています。(出典:畜産王国を襲う子牛市場の異変 日本一目指す内田畜産の「危機感」 - Think都城)・専門知識や技術の継承 マニュアル化されている情報も多くありますが、やはりどうしても人の手を掛けて行う作業が多いため、熟練のスタッフと新人スタッフの技術差は生じやすいでしょう。2.ニュージーランドの哺育技術ニュージーランド(以下NZ)の哺育技術が優れている点は多くあり、日本とは大きく異なっているため、驚かれる方も少なくありません。ここでは主なポイントをご紹介します。2-1.季節分娩(季節繁殖) 日本では年間を通じて子牛が生まれますが、NZでは春先に子牛が生まれます。これにより、少人数でも多くの子牛を集中的に管理することができます。また、ニュージーランドでは、放牧が主体です。分娩時期を春先に調整することで、放牧草の成長と子牛の成長のピークをあわせることができ、牧草を最大限に活用した放牧ができます。2-2.放牧地で子牛を産み、育てる これには理由があり、分娩房ではなく分娩牧区で管理をするほうが「経済的」という考え方です。 NZで牛舎管理は時間や労力がかかり、「経済的でない」という考え方のため、牛舎がない農家もあるそうです。2-3.冷たいミルクをそのまま与える ミルクも放牧地で給与されます。ピーチティートがたくさんついたタンクのようなタイプで、一気にミルクを与えます。日本とは異なり、NZでは冷たいミルクをそのまま与えるそうです。参考商品 ピーチボトル・ハンギングミルク用交換用乳首 ご購入はこちら ピーチボトル用交換用乳首(キャップ付) ご購入はこちら 2-4.放牧に適した胃づくりに力を入れている 放牧が主体のNZでは、牧草をしっかりと食べて、栄養を吸収できる牛であることが大切です。そのため子牛の頃から胃づくりには力を入れています。ファイバースタートというアルファルファを主体とした高栄養発酵繊維飼料です。国内でも既に多くのユーザーがおり、厚くて硬いルーメンマットができることで、強い反芻がおき、下痢が起きにくい胃が作られます。参考商品 ファイバースタート 20kg ご購入はこちら ファイバーゲイン 20kg ご購入はこちら その他製品は >>>こちら2-5.体重測定による数値に基づいた管理を行っている これは子牛のみに限らず、成長をモニタリングする過程で取り入れられています。目視や経験によって判断することもできますが、どうしても人によってバラツキが出たり、感覚に頼らなければいけない部分が増えます。こうした部分を、数値ではっきりと管理し、成長に課題がある個体には追加の対策や管理方法の変更などが取られます。参考商品 イージーウェイ7i (※測定器のみ) ご購入はこちら ロードバーMP600 (幅600mmタイプ/2本セット) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら3.NZの具体例 ダンカンさん(ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクト オンラインセミナーより) 弊社が協力しているプロジェクトにて、NZの酪農家から子牛育成のノウハウを共有するオンラインセミナーを開催いたしました。当日お話しいただいたNZ酪農家のダンカンさんは、500頭規模の牧場で、130頭の子牛がおりますが、従業員数はたったの3名です。さらに、死亡する個体はほとんどおりません。なぜ、このような最低限の人数でも最大限の収益を上げる経営を実現できているのかについて、お話しいただきました。詳しくは...
【放牧酪農 コラム】キース・ベタリッジのNZ酪農最新NEWS_Vol,03 ストレスとメンタルヘルス
ニュージーランド(以下NZ)の農家には、こんな言葉がある。「自分自身の面倒を見なければ、家族や農場の面倒を見られない。自分に問題があることを認識し、その解決に向けて行動を起こすことが大切だ。」” 自己充足 セルフフィリング ”とは、自分の世話をすること。もし自分の生活がストレスだらけだと、子どもたちは農場を継ぎたくないかもしれない。農業は趣味であり、ビジネスでもある。【バックナンバー】・vol01_あなたの農業ビジネスと環境・Vol02_数字を知ることのメリット1.農家の福祉を考える 酪農は多くの人にとって楽しい仕事ですが、時には状況が悪くなり、牧場や家族、友達、さらには銀行との関係で正しい判断ができなくなることもあります。これは北海道の酪農家だけの問題ではなく、世界中の農家が直面する問題です。1-1.農家が直面する問題以下は主な問題点です・乳価が上がらない・燃料代や資材費などのコスト上昇・牛群に病気が広がる・牛の繁殖がうまくいかない・銀行への返済・天候の影響(牧草や作物が育ちにくい)・機械の故障・家族の不調これらの問題はNZの農家でも同じように起こっている。多くの農家はこれらを乗り越えて、すぐに好調な時期を取り戻すが、どう対処すればよいのか分からない人もいる。多くの場合、こうした問題を誰にも話さずに抱え込み、責任を感じて友達との交流も減り、農場を離れたくないと思ってしまう。しかし、正しい解決策を見つけるためには、誰かに助けてもらうことも大切である。NZでは、農家同士の近所付き合いがよく、農業経営について率直に話すことが一般的だ。コンサルタントを含むファーム・ディスカッション・グループでは、成功や問題点をオープンに話し合うことができる。もし「元気がないな」と感じる農家がいたら、その理由が気になるかもしれない。しかし、ただ心配して話すだけでは、問題は解決しない。1-2.酪農家を支援するさまざまな仕組み 積極的に行動することが大切だ。あなたが手を貸すことができるかもしれないし、医師やカウンセラーがサポートしてくれるかもしれない。しかし、何もしないことが一番間違いだ。NZでは農家をサポートするために支援グループが作られている。その一つに、「ビッグ・デイ・アウト」というイベントがあり、地元の農家20~30組が集まって、農場から離れリラックスする時間を持つことができる。このイベントは一見無駄に思えるかもしれないが、実はとても重要な時間だ。農場を離れることが久しぶりになるかもしれないが、リラックスした雰囲気の中で友達と食事をしながら、抱えている問題を話すことで、自分が一人ではないと感じることができる。問題は他の人も経験していることがよくあり、みんなで考えれば解決の手がかりが見つかることが多い。2.アニマルウェルフェア2-1.日本で見たアニマルウェルフェアの現状 日本の多くの牧場でつなぎ牛舎が使われていることに驚いた。牛は冷たく濡れたコンクリートの床に立ち、立ったり座ったりすることしかできない。しかし、最近の牛舎では、牛が歩き回ったり、他の動物と干渉されない場所で休むことができるようになっている。これは大きな進歩だ。しかし、1年の6~7ヶ月は放牧され、濃厚飼料を与えるパーラーまで散歩できる牛舎は、さらに良い進歩だ。北海道では、少数の農家が1年中放牧をしており、これを「ウィンター・ゼロ放牧」と呼んでいる。ある酪農家は、北海道の平均利益の3倍を上げている。冬でも多くの野生動物が外で生活しているため、冬の草がゼロでも牛の福祉は悪くないかもしれない。2-2.アニマルウェルフェアがもたらす利益 アニマルウェルフェア(動物福祉)は牛乳の価値に大きく関わっている。もし牛乳が輸出されたり、都市部の人々が農場の動物福祉に問題があることを知ると、牛乳の価値を保つのが難しくなる可能性がある。牛の生活環境が良くなれば、乳量が増え、病気が減り、利益が増えることが分かっている。良い環境で育てられた牛は、その健康にも良い影響を与える。人間の福祉と動物の福祉は密接に関わっている。なぜなら、具合の悪い酪農家は、牛の具合も悪くなることが多いからだ。原文:キース・ベターリッジ翻訳:ファームエイジ株式会社 高田
【放牧酪農 コラム】キース・ベタリッジのNZ酪農最新NEWS_Vol,03 ストレスとメンタルヘルス
ニュージーランド(以下NZ)の農家には、こんな言葉がある。「自分自身の面倒を見なければ、家族や農場の面倒を見られない。自分に問題があることを認識し、その解決に向けて行動を起こすことが大切だ。」” 自己充足 セルフフィリング ”とは、自分の世話をすること。もし自分の生活がストレスだらけだと、子どもたちは農場を継ぎたくないかもしれない。農業は趣味であり、ビジネスでもある。【バックナンバー】・vol01_あなたの農業ビジネスと環境・Vol02_数字を知ることのメリット1.農家の福祉を考える 酪農は多くの人にとって楽しい仕事ですが、時には状況が悪くなり、牧場や家族、友達、さらには銀行との関係で正しい判断ができなくなることもあります。これは北海道の酪農家だけの問題ではなく、世界中の農家が直面する問題です。1-1.農家が直面する問題以下は主な問題点です・乳価が上がらない・燃料代や資材費などのコスト上昇・牛群に病気が広がる・牛の繁殖がうまくいかない・銀行への返済・天候の影響(牧草や作物が育ちにくい)・機械の故障・家族の不調これらの問題はNZの農家でも同じように起こっている。多くの農家はこれらを乗り越えて、すぐに好調な時期を取り戻すが、どう対処すればよいのか分からない人もいる。多くの場合、こうした問題を誰にも話さずに抱え込み、責任を感じて友達との交流も減り、農場を離れたくないと思ってしまう。しかし、正しい解決策を見つけるためには、誰かに助けてもらうことも大切である。NZでは、農家同士の近所付き合いがよく、農業経営について率直に話すことが一般的だ。コンサルタントを含むファーム・ディスカッション・グループでは、成功や問題点をオープンに話し合うことができる。もし「元気がないな」と感じる農家がいたら、その理由が気になるかもしれない。しかし、ただ心配して話すだけでは、問題は解決しない。1-2.酪農家を支援するさまざまな仕組み 積極的に行動することが大切だ。あなたが手を貸すことができるかもしれないし、医師やカウンセラーがサポートしてくれるかもしれない。しかし、何もしないことが一番間違いだ。NZでは農家をサポートするために支援グループが作られている。その一つに、「ビッグ・デイ・アウト」というイベントがあり、地元の農家20~30組が集まって、農場から離れリラックスする時間を持つことができる。このイベントは一見無駄に思えるかもしれないが、実はとても重要な時間だ。農場を離れることが久しぶりになるかもしれないが、リラックスした雰囲気の中で友達と食事をしながら、抱えている問題を話すことで、自分が一人ではないと感じることができる。問題は他の人も経験していることがよくあり、みんなで考えれば解決の手がかりが見つかることが多い。2.アニマルウェルフェア2-1.日本で見たアニマルウェルフェアの現状 日本の多くの牧場でつなぎ牛舎が使われていることに驚いた。牛は冷たく濡れたコンクリートの床に立ち、立ったり座ったりすることしかできない。しかし、最近の牛舎では、牛が歩き回ったり、他の動物と干渉されない場所で休むことができるようになっている。これは大きな進歩だ。しかし、1年の6~7ヶ月は放牧され、濃厚飼料を与えるパーラーまで散歩できる牛舎は、さらに良い進歩だ。北海道では、少数の農家が1年中放牧をしており、これを「ウィンター・ゼロ放牧」と呼んでいる。ある酪農家は、北海道の平均利益の3倍を上げている。冬でも多くの野生動物が外で生活しているため、冬の草がゼロでも牛の福祉は悪くないかもしれない。2-2.アニマルウェルフェアがもたらす利益 アニマルウェルフェア(動物福祉)は牛乳の価値に大きく関わっている。もし牛乳が輸出されたり、都市部の人々が農場の動物福祉に問題があることを知ると、牛乳の価値を保つのが難しくなる可能性がある。牛の生活環境が良くなれば、乳量が増え、病気が減り、利益が増えることが分かっている。良い環境で育てられた牛は、その健康にも良い影響を与える。人間の福祉と動物の福祉は密接に関わっている。なぜなら、具合の悪い酪農家は、牛の具合も悪くなることが多いからだ。原文:キース・ベターリッジ翻訳:ファームエイジ株式会社 高田
子牛の哺育を成功に導くには? ニュージーランドから学ぶ哺育技術をご紹介(哺育セミナー開催)
「哺育」は、子牛にとってその後の健康や成長を左右する非常に重要な期間です。ところが、近年、酪農業界全体の様々な問題により、哺育の質を保つことが難しくなってきています。一方で、多数の子牛を、人手をかけずに効率よく子牛の哺育を行っている国があります。日本との差はいったい何なのでしょうか?本記事では、日本の酪農が直面する課題、さらには技術向上のためのセミナー内容から、具体的な改善事例までを詳しくご紹介します。ぜひ最後までお読みください。1.そもそもなぜ牛にとって哺育が重要? 一般的には牛の育成ステージにおいて、生まれてから離乳するまでの哺育期の牛を「子牛(こうし)」や「哺育牛(ほいくぎゅう)」などと呼びます。哺育期は主に代用乳やスターターなどを与えて、徐々に親牛と同じような餌を食べれるように体を作っていく重要な期間です。そのため哺育期の管理は、のちの発育や疾病予防、受胎率など、多くの要素に影響を与えます。 2.子牛哺育の課題と現状 ここでは主なものをご紹介します。・人手不足 酪農・畜産業界においても人手が不足しています。ここ数年は離農(りのう)する農家さんの数は増え続けており、それに対し新規就農する若手はごくわずかです。令和6年(2024年)の北海道の統計によると、”1年間に新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、224戸の減少となった。”とあり、以前より厳しさを増していることが伺えます。(引用:北海道における酪農経営の離脱状況について(令和5年2月1日~令和6年1月31日|)・飼料や代用乳などのコスト上昇 世界情勢や円安などの影響で、さまざまなコストが上昇しています。特に代用乳に使う粉ミルク代は餌の中でも高く、1袋(20㎏)あたり10,000円程度とされています。(※弊社スタッフの聞き取りによる 地域差、商品差あり)これを毎月のように、1頭あたりに消費しますので、子牛がたくさんいる農場においては、深刻な課題といえます。・専門知識や技術の継承 マニュアル化されている情報も多くありますが、やはりどうしても人の手を掛けて行う作業が多いため、熟練のスタッフと新人スタッフの技術差は生じやすいでしょう。4.酪農家様向けの哺育セミナーを開催しました! 高い技術の習得には時間がかかり、再現が難しい場合があります。酪農・哺育現場においても同様で、哺育技術の質が農場経営に大きく影響します。ファームエイジは、放牧にルーツを持つ独自の哺育技術を商品化し、短時間で安定的に再現可能な技術として提供してきました。今回、こうした技術をより深く体感していただくために「出前哺育セミナー」を開催いたしました。場所は北海道東部エリア。酪農女性部会の方々にお集まりいただき、2時間程度の座学で行いました。ここでは、セミナーの内容を一部ご紹介します。・なぜ? ニュージーランド(以下NZ)の子牛育成技術が優れているポイントは? NZでは、子牛が生まれる時期を集中させる「季節分娩」が主流です。そのため、春先に一気に子牛が生まれます。同時期に50頭以上の子牛が生まれることもあり、少人数でも子牛を管理する手段として、哺乳具などの”アイテム”で補っています。ここからは、前述したアイテムの国内ユーザー様の声を一部紹介します。(1)ピーチティート 子牛用の哺乳ボトルや哺乳バケツにつける「乳首」のことです。NZではピーチティートと呼ばれ、広く普及しています。特徴的なのは、ミルクが出る穴が二股に分かれていることで誤嚥防止になること、噛んでミルクがでることで唾液の分泌が促進され、消化不良性の下痢を起こしにくくなります。参考商品 ピーチボトル・ハンギングミルク用交換用乳首 ご購入はこちら ピーチボトル用交換用乳首(キャップ付) ご購入はこちら ・ユーザーの声(北海道|道東エリア|酪農家)・ハンディ哺乳(最初3日)→バケツ哺乳に移行。下痢・誤嚥なく安心して省力化。・哺育期の誤嚥・下痢がなく、育成になって手がかからない。・離乳時期に下痢がなく、スムーズに育成移行。・気持ち良いくらい草をたくさん食べてくれる。・骨格がしっかりした牛になり、初産牛の乳量が今までより多いと感じる。(参考記事:【子牛がミルクを飲まないときは?】原因と対応策をご紹介!)(2)ファイバースタート アルファルファを主体とした高栄養発酵繊維です。牛づくりは、放牧のメリットを最大限に引き出す重要な要素の一つです。ファイバースタート、ファイバーゲインは、哺育期からの「牛づくりにおけるルーメン機能」の最大化をサポートします。参考商品 ファイバースタート 20kg ご購入はこちら ファイバーゲイン 20kg ご購入はこちら その他製品は >>>こちら・ユーザーの声(北海道|道東エリア|酪農家)・品質の悪い草でもたくさん食べて、増体してくれる。・ファイバー使い始めの頃、給与群と未給与群で食い込みが全然違って驚いた。・草の良い部分だけを寄り食いすることがなくなった。草のロスが減った。今回のセミナーでは、酪農家様向けの事例をメインに紹介いたしましたが、肉牛農家様向けの事例や本州のユーザー様の事例も多く取り揃えています。(参考記事:【子牛 粗飼料 事例】北海道から九州まで ファイバーゲインの感想をいただきました!)4.参加者の声、セミナーの感想 参加者が7名と少な目だったこともあり、終始ラフに質問をいただけるようなアットホームな雰囲気で終えることができました。「敷料は何が良い?」「生まれて1週間くらいの子牛たちがよく下痢する。どうしたらいい?」など、具体的な質問もいただきましたが、中でもNZの哺育事情について、興味を持たれた方が多かったのが印象的でした。5.まとめ いかがでしたでしょうか?今回は北海道内での開催でしたが、セミナーはオンライン対応も可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。 全国送料無料でお届け!まずは資料請求からはじめてみる
子牛の哺育を成功に導くには? ニュージーランドから学ぶ哺育技術をご紹介(哺育セミナー開催)
「哺育」は、子牛にとってその後の健康や成長を左右する非常に重要な期間です。ところが、近年、酪農業界全体の様々な問題により、哺育の質を保つことが難しくなってきています。一方で、多数の子牛を、人手をかけずに効率よく子牛の哺育を行っている国があります。日本との差はいったい何なのでしょうか?本記事では、日本の酪農が直面する課題、さらには技術向上のためのセミナー内容から、具体的な改善事例までを詳しくご紹介します。ぜひ最後までお読みください。1.そもそもなぜ牛にとって哺育が重要? 一般的には牛の育成ステージにおいて、生まれてから離乳するまでの哺育期の牛を「子牛(こうし)」や「哺育牛(ほいくぎゅう)」などと呼びます。哺育期は主に代用乳やスターターなどを与えて、徐々に親牛と同じような餌を食べれるように体を作っていく重要な期間です。そのため哺育期の管理は、のちの発育や疾病予防、受胎率など、多くの要素に影響を与えます。 2.子牛哺育の課題と現状 ここでは主なものをご紹介します。・人手不足 酪農・畜産業界においても人手が不足しています。ここ数年は離農(りのう)する農家さんの数は増え続けており、それに対し新規就農する若手はごくわずかです。令和6年(2024年)の北海道の統計によると、”1年間に新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、224戸の減少となった。”とあり、以前より厳しさを増していることが伺えます。(引用:北海道における酪農経営の離脱状況について(令和5年2月1日~令和6年1月31日|)・飼料や代用乳などのコスト上昇 世界情勢や円安などの影響で、さまざまなコストが上昇しています。特に代用乳に使う粉ミルク代は餌の中でも高く、1袋(20㎏)あたり10,000円程度とされています。(※弊社スタッフの聞き取りによる 地域差、商品差あり)これを毎月のように、1頭あたりに消費しますので、子牛がたくさんいる農場においては、深刻な課題といえます。・専門知識や技術の継承 マニュアル化されている情報も多くありますが、やはりどうしても人の手を掛けて行う作業が多いため、熟練のスタッフと新人スタッフの技術差は生じやすいでしょう。4.酪農家様向けの哺育セミナーを開催しました! 高い技術の習得には時間がかかり、再現が難しい場合があります。酪農・哺育現場においても同様で、哺育技術の質が農場経営に大きく影響します。ファームエイジは、放牧にルーツを持つ独自の哺育技術を商品化し、短時間で安定的に再現可能な技術として提供してきました。今回、こうした技術をより深く体感していただくために「出前哺育セミナー」を開催いたしました。場所は北海道東部エリア。酪農女性部会の方々にお集まりいただき、2時間程度の座学で行いました。ここでは、セミナーの内容を一部ご紹介します。・なぜ? ニュージーランド(以下NZ)の子牛育成技術が優れているポイントは? NZでは、子牛が生まれる時期を集中させる「季節分娩」が主流です。そのため、春先に一気に子牛が生まれます。同時期に50頭以上の子牛が生まれることもあり、少人数でも子牛を管理する手段として、哺乳具などの”アイテム”で補っています。ここからは、前述したアイテムの国内ユーザー様の声を一部紹介します。(1)ピーチティート 子牛用の哺乳ボトルや哺乳バケツにつける「乳首」のことです。NZではピーチティートと呼ばれ、広く普及しています。特徴的なのは、ミルクが出る穴が二股に分かれていることで誤嚥防止になること、噛んでミルクがでることで唾液の分泌が促進され、消化不良性の下痢を起こしにくくなります。参考商品 ピーチボトル・ハンギングミルク用交換用乳首 ご購入はこちら ピーチボトル用交換用乳首(キャップ付) ご購入はこちら ・ユーザーの声(北海道|道東エリア|酪農家)・ハンディ哺乳(最初3日)→バケツ哺乳に移行。下痢・誤嚥なく安心して省力化。・哺育期の誤嚥・下痢がなく、育成になって手がかからない。・離乳時期に下痢がなく、スムーズに育成移行。・気持ち良いくらい草をたくさん食べてくれる。・骨格がしっかりした牛になり、初産牛の乳量が今までより多いと感じる。(参考記事:【子牛がミルクを飲まないときは?】原因と対応策をご紹介!)(2)ファイバースタート アルファルファを主体とした高栄養発酵繊維です。牛づくりは、放牧のメリットを最大限に引き出す重要な要素の一つです。ファイバースタート、ファイバーゲインは、哺育期からの「牛づくりにおけるルーメン機能」の最大化をサポートします。参考商品 ファイバースタート 20kg ご購入はこちら ファイバーゲイン 20kg ご購入はこちら その他製品は >>>こちら・ユーザーの声(北海道|道東エリア|酪農家)・品質の悪い草でもたくさん食べて、増体してくれる。・ファイバー使い始めの頃、給与群と未給与群で食い込みが全然違って驚いた。・草の良い部分だけを寄り食いすることがなくなった。草のロスが減った。今回のセミナーでは、酪農家様向けの事例をメインに紹介いたしましたが、肉牛農家様向けの事例や本州のユーザー様の事例も多く取り揃えています。(参考記事:【子牛 粗飼料 事例】北海道から九州まで ファイバーゲインの感想をいただきました!)4.参加者の声、セミナーの感想 参加者が7名と少な目だったこともあり、終始ラフに質問をいただけるようなアットホームな雰囲気で終えることができました。「敷料は何が良い?」「生まれて1週間くらいの子牛たちがよく下痢する。どうしたらいい?」など、具体的な質問もいただきましたが、中でもNZの哺育事情について、興味を持たれた方が多かったのが印象的でした。5.まとめ いかがでしたでしょうか?今回は北海道内での開催でしたが、セミナーはオンライン対応も可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。 全国送料無料でお届け!まずは資料請求からはじめてみる
持続可能な農業”放牧”から学ぶ~ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト オホーツク地区ディ...
2024年9月16日 ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が主体となるニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトにて、放牧酪農に関するセミナーを北海道興部(おこっぺ)町にて開催致しました。当日は農業従事者、関係団体など、多くの方にご参加いただきました。2022年春よりNZ北海道酪農協力プロジェクトのモニターファームになり、放牧を開始した牧場において、どのように変化していったのかを、NZコンサルタントと参加者でディスカッションを行いました。新規就農者も他の地域から多くの方にご参加いただき、充実したセミナーとなりました。本記事では、現地で行われた内容をご紹介いたします。1.開催概要1-1.開催要項開催日時:2024年9月16日開催場所:興部町 松岡牧場参加人数:約30名(酪農家、地元JA職員、普及員、新規就農予定者ほか)講師:キース・ベタリッジ、Rich Field松岡牧場 松岡洋平ゲスト :高原牧場 高原弘雄、フォンテラチャイナ ミーガン・ロバートソン1-2.ディスカッション内容・フリーストール農家が放牧転換して3年間どのような変化が起こったか・参加者からの質疑応答・NZコンサルタントからのアドバイスと総括2.松岡農場の取組・搾乳頭数 約80頭、草地面積100ha・3年前の2021年にプロジェクトに応募・当時は、牧区割りをせずに10町すべてで放牧をしており、草地に残った部分を掃除刈りしてから再度食べさせていた・現在は、牧区を1haごとに区切り、集約放牧を開始して2年目・配合飼料の使用量が減りましたが、乳量はほぼ変わっていない・まだ改善の余地があるため、皆様からのアドバイスを取り入れたい・2022年9月と2023年9月 に同様のディスカッショングループを開催2-1.高原さんから松岡牧場の放牧に対してアドバイス 頻繁に牧場を訪れて観察し、牧区のサイズが大きすぎて放牧圧が適正でなかったため、以下のアドバイスを行いました。・放牧地の外周にはフェンシングワイヤーを使用し、牧区割りにはピッグティルポールとポリワイヤーを使用する。 牧草が少ない時は牧区面積を広げ、牧草が多い時は狭めることで、放牧圧を調整できるシステムにする。・牛の動線を考慮して牧道を作る。初めは簡易的な道を作り、後に業者によって整備する(傾斜や凹凸を均すこと)。 柵にはフェンシングワイヤーを使用し、ゲートをしっかり設ける。・配管設置を考慮した上で、水槽の位置を決定する。3.キースからのアドバイス NZ酪農のノウハウ紹介・NZは通年放牧が可能で、冬場に畜舎飼いをしない。・集約放牧技術を用いて、毎日転牧や季節による牧区面積の変更を行う。・牛が食べる草の量に応じて牧区面積を調整する技術がある。・NZの一般的な酪農規模は、平均450頭搾乳/面積200町。・日本でも集約放牧技術の考え方を取り入れることが可能であり、成果を上げている農家もいる。・放牧により所得を確保できる可能性がある。・得た情報をすぐに実行できるとは限らないが、アドバイザーやコンサルタントの助言を受けることが成功の鍵となる。・乳生産量だけでなく、農家に最大所得を残すことが重要視されている。・松岡さんの例では、餌代が減少し、乳量が維持されている。4.フィールドでの実習・ディスカッション4-1.土壌の違いを見てみよう・ABCの3か所に分かれて観察、参加者どうしでディスカッション・草の根の張りや、ミミズの有無、スコップが刺さりやすいかを確認~キースからのコメント~土壌分析をしなくともこのように土壌を見ることで違いが分かり価値を知ることができる。今回の土壌と比較して次の改善へのステップとしていただけたらと思う。4-2.草地を見てみよう・1haあたりの乾物量は何kgある草地でしょうか・酪農家から見て草の品質はどうか~キースからのコメント~クローバーは栄養価が高く、根についている根粒菌は空気中の窒素を吸着して土に取り込む重要な役割がある。掃除狩りをして草地管理した結果、クローバーが増えていて草地として栄養価が高くなっている印象がある。牧区割に必要なことは、水槽とポリパイプという配管設置である。5.全体を通じて キースからのコメント 今回も多くの方と放牧の今後について、意見を交わすことができました。NZと日本の酪農を比較すると、相違点や類似点が見られます。NZでは通年放牧が可能であり、冬場に畜舎飼いをすることはありません。集約放牧技術を基盤として、毎日転牧するだけでなく、季節によって牧区面積を変更し、ローテーションの日数を調整します。NZの酪農は、牛が食べる草の量に応じて必要な牧区面積を決定する技術が重視されています。NZでは平均450頭搾乳し、200haの面積で管理していますが、この技術は規模に関わらず、日本の酪農でも応用できるものです。放牧によって所得を確保できると考えています。6.次回の開催予定 詳細は、ウェブサイトまたはSNS(Twitter、インスタグラム)などで発信してまいりますので、お待ちください。情報を受け取りたい方は、お手数ですが弊社まで直接お問合せください。
持続可能な農業”放牧”から学ぶ~ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト オホーツク地区ディ...
2024年9月16日 ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が主体となるニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトにて、放牧酪農に関するセミナーを北海道興部(おこっぺ)町にて開催致しました。当日は農業従事者、関係団体など、多くの方にご参加いただきました。2022年春よりNZ北海道酪農協力プロジェクトのモニターファームになり、放牧を開始した牧場において、どのように変化していったのかを、NZコンサルタントと参加者でディスカッションを行いました。新規就農者も他の地域から多くの方にご参加いただき、充実したセミナーとなりました。本記事では、現地で行われた内容をご紹介いたします。1.開催概要1-1.開催要項開催日時:2024年9月16日開催場所:興部町 松岡牧場参加人数:約30名(酪農家、地元JA職員、普及員、新規就農予定者ほか)講師:キース・ベタリッジ、Rich Field松岡牧場 松岡洋平ゲスト :高原牧場 高原弘雄、フォンテラチャイナ ミーガン・ロバートソン1-2.ディスカッション内容・フリーストール農家が放牧転換して3年間どのような変化が起こったか・参加者からの質疑応答・NZコンサルタントからのアドバイスと総括2.松岡農場の取組・搾乳頭数 約80頭、草地面積100ha・3年前の2021年にプロジェクトに応募・当時は、牧区割りをせずに10町すべてで放牧をしており、草地に残った部分を掃除刈りしてから再度食べさせていた・現在は、牧区を1haごとに区切り、集約放牧を開始して2年目・配合飼料の使用量が減りましたが、乳量はほぼ変わっていない・まだ改善の余地があるため、皆様からのアドバイスを取り入れたい・2022年9月と2023年9月 に同様のディスカッショングループを開催2-1.高原さんから松岡牧場の放牧に対してアドバイス 頻繁に牧場を訪れて観察し、牧区のサイズが大きすぎて放牧圧が適正でなかったため、以下のアドバイスを行いました。・放牧地の外周にはフェンシングワイヤーを使用し、牧区割りにはピッグティルポールとポリワイヤーを使用する。 牧草が少ない時は牧区面積を広げ、牧草が多い時は狭めることで、放牧圧を調整できるシステムにする。・牛の動線を考慮して牧道を作る。初めは簡易的な道を作り、後に業者によって整備する(傾斜や凹凸を均すこと)。 柵にはフェンシングワイヤーを使用し、ゲートをしっかり設ける。・配管設置を考慮した上で、水槽の位置を決定する。3.キースからのアドバイス NZ酪農のノウハウ紹介・NZは通年放牧が可能で、冬場に畜舎飼いをしない。・集約放牧技術を用いて、毎日転牧や季節による牧区面積の変更を行う。・牛が食べる草の量に応じて牧区面積を調整する技術がある。・NZの一般的な酪農規模は、平均450頭搾乳/面積200町。・日本でも集約放牧技術の考え方を取り入れることが可能であり、成果を上げている農家もいる。・放牧により所得を確保できる可能性がある。・得た情報をすぐに実行できるとは限らないが、アドバイザーやコンサルタントの助言を受けることが成功の鍵となる。・乳生産量だけでなく、農家に最大所得を残すことが重要視されている。・松岡さんの例では、餌代が減少し、乳量が維持されている。4.フィールドでの実習・ディスカッション4-1.土壌の違いを見てみよう・ABCの3か所に分かれて観察、参加者どうしでディスカッション・草の根の張りや、ミミズの有無、スコップが刺さりやすいかを確認~キースからのコメント~土壌分析をしなくともこのように土壌を見ることで違いが分かり価値を知ることができる。今回の土壌と比較して次の改善へのステップとしていただけたらと思う。4-2.草地を見てみよう・1haあたりの乾物量は何kgある草地でしょうか・酪農家から見て草の品質はどうか~キースからのコメント~クローバーは栄養価が高く、根についている根粒菌は空気中の窒素を吸着して土に取り込む重要な役割がある。掃除狩りをして草地管理した結果、クローバーが増えていて草地として栄養価が高くなっている印象がある。牧区割に必要なことは、水槽とポリパイプという配管設置である。5.全体を通じて キースからのコメント 今回も多くの方と放牧の今後について、意見を交わすことができました。NZと日本の酪農を比較すると、相違点や類似点が見られます。NZでは通年放牧が可能であり、冬場に畜舎飼いをすることはありません。集約放牧技術を基盤として、毎日転牧するだけでなく、季節によって牧区面積を変更し、ローテーションの日数を調整します。NZの酪農は、牛が食べる草の量に応じて必要な牧区面積を決定する技術が重視されています。NZでは平均450頭搾乳し、200haの面積で管理していますが、この技術は規模に関わらず、日本の酪農でも応用できるものです。放牧によって所得を確保できると考えています。6.次回の開催予定 詳細は、ウェブサイトまたはSNS(Twitter、インスタグラム)などで発信してまいりますので、お待ちください。情報を受け取りたい方は、お手数ですが弊社まで直接お問合せください。
【放牧って本当に飼料代が下がるの?】よくあるご質問や事例のご紹介
円安や燃料代の高騰など、さまざまな影響をうけている日本の酪農・畜産。農家さんの悩みは尽きませんが、その中でも「餌代の高騰」は経営に大きな影響を与えています。様々な工夫や対策が行われていますが、「具体的にどんな取り組みがあるのか?」「本当にえさ代を削減できた事例があるのか?」知られていないことも多くあります。ここでは、放牧酪農を中心に、飼料を取り巻く現状から取り組み事例まで、基礎的なポイントをご紹介します。1.そもそも飼料とは?牛や羊などの家畜が食べるための食べ物を意味します。大きく分けて、粗飼料と濃厚飼料の2種類があります。粗飼料は、 草や草から作られた餌で、生草、サイレージ、乾草などがあります。放牧を行う場合、「放牧草」や「青草」と呼ばれることもあります。繊維質が豊富で消化に時間がかかり、牛の第1胃であるルーメンを鍛えて消化・吸収機能を向上させます。濃厚飼料は、 トウモロコシ、ぬか類、大豆、大豆粕などを混ぜた混合飼料で、炭水化物やタンパク質含量が高く、栄養価も高いです。穀物飼料とも呼ばれ、エネルギー補給のために重要です。2.飼料を取り巻く現状前述の通り、飼料の価格は高騰しています。大きな要因としては、・飼料を作るための原材料(トウモロコシなどの穀物)の高騰・原油やガソリンなどの高騰・国際情勢に伴う円安などの影響 ・・・などがあります。また、日本は濃厚飼料の多くを海外からの輸入に頼っており、国内自給率が低いことが指摘されています。そのため、濃厚飼料をたくさん使っている農家さんほど、外部環境に影響されやすい経営傾向にあるといえます。3.濃厚飼料を減らす手段のひとつ「放牧」高騰しているとはいえ、大量の濃厚飼料をいきなり日本だけですべて賄うのは、簡単ではありません。そこで、もう一つの飼料である「粗飼料」がコスト削減のカギになります。今、牧草など粗飼料を活用する手段として、「放牧」が注目されています。放牧は、家畜を屋外に出して牧草を与えるスタイルです。飼料削減だけでなく、家畜の健康増進にも繋がるので、診療代の削減や労働時間の削減など、多岐にわたるメリットが期待できます。参考商品 パドック放牧200セット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら パドック放牧200ソーラーセット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4.放牧にもやり方がある? 押さえるべきポイント飼料高騰の影響もあり、「放牧を取り入れてみたい」「放牧のやり方を教えてほしい」というご相談が増えています。但し、やり方のポイントを押さえていないと、飼料削減をはじめとするメリットを得られない場合があります。主なポイントをご紹介します。4-1.頭数と草地のバランス たとえば、頭数に対して放牧地面積が広すぎると、草の食べ残しが起きてしまいます。その結果、牛に食べられる旬を逃した草はどんどん生長して、最終的に人が刈り取り掃除しなければならなくなります。また、草の伸び過ぎは、牧草地の草の密度を下げる原因になってしまうため、面積あたりで得られる草の生産量が減ってしまいます。一方で、頭数に対して適正な放牧地面積で放牧した場合、食べ残しは少なく、牧草品種によっては放牧地の草の密度UPにもつながります。4-2.草の品質 牛に食べさせる放牧草の「理想的な高さ」をご存じでしょうか?理想的な放牧草の高さは地上高15-20cmといわれています。地上高が低すぎると、生長のために草がたくさん栄養を蓄えている時期ではあるのですが、牛が食べれる草量が少なくなります。また、草の生長や再生が悪くなってしまいます。地上高が高すぎると、牛が食べれる草量は多いのですが、草は種子をつくるために栄養を使うようになっていきます。結果として、枯死している葉が多く、繊維質も強くなり、消化しにくい草になってしまいます。「15-20cm」というは、栄養価が高い草を効率良く牛に与えられる高さといえます。 ライジングプレートメーター(デジタル式) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4-3.配合飼料の量 乳生産において最も大きなコストが「飼料」といわれており、乳代(ミルクの売上金額)に対して飼料コストがどれだけかかったかを示す「乳飼比」という数値があります。乳飼比の数値が低いほど、収益が高い傾向にあり、良い経営状態といえます。放牧を導入し、栄養価の高い草を食べさせることで飼料コストが下がるので、乳飼比を低くすることができます。ところが、放牧導入しても、放牧せず畜舎内だけで飼育している場合(舎飼い)と乳飼比がほとんど変わらないケースがあります。その場合、放牧のやり方を変えることで経営状態を改善できる可能性があります。4-4.水槽の数 私たち人間も、食事をする際には、水や飲み物と一緒に食事をとりますよね。水がないと、食事が進みづらいという経験はないでしょうか。動物にとっても同じ事がいえます。放牧地に適切な数・大きさの水槽を置くことで、牧草の食い込みが良くなります。(出典:牛の引水環境を改善し肥育期の像隊安定化を目指す|全農 ちくさんクラブ)牧草の食い込みが良くなれば、毎日の乳生産量も増える傾向にあります。また、そもそも牛乳の85%以上は水分でできているので、水を飲むことで乳生産は増える傾向にあります。人によっては、乳生産で最も安い飼料は「水」だと言う方もいらっしゃいます。これは、放牧を取り入れている農家さんだけでなく、舎飼いの農家さんにも言えることです。参考記事:【 放牧 水 】知らずに損してる?放牧地に水槽を設置するメリット、ポイントをご紹介参考商品 家畜用水槽トロフ260リットル ご購入はこちら 角型水槽トロフ130リットル ご購入はこちら その他製品は >>>こちら5.(まとめ)できるところから始めよう!飼料コスト削減の取組 いかがでしたでしょうか?放牧を用いた飼料コスト削減の取り組みは、環境負荷の軽減と生産性向上の両方に貢献する素晴らしい方法です。まずは、小さなステップから始めて、現在の農場の状況や資源を見直し、取り組めることから一歩ずつ始めることが大切です。ファームエイジは、皆さんの農場での放牧導入や飼料コスト削減の取り組みをサポートします。ぜひ一緒に、より持続可能な農業経営を目指していきましょう。 全国送料無料でお届け!まずは資料請求からはじめてみる
【放牧って本当に飼料代が下がるの?】よくあるご質問や事例のご紹介
円安や燃料代の高騰など、さまざまな影響をうけている日本の酪農・畜産。農家さんの悩みは尽きませんが、その中でも「餌代の高騰」は経営に大きな影響を与えています。様々な工夫や対策が行われていますが、「具体的にどんな取り組みがあるのか?」「本当にえさ代を削減できた事例があるのか?」知られていないことも多くあります。ここでは、放牧酪農を中心に、飼料を取り巻く現状から取り組み事例まで、基礎的なポイントをご紹介します。1.そもそも飼料とは?牛や羊などの家畜が食べるための食べ物を意味します。大きく分けて、粗飼料と濃厚飼料の2種類があります。粗飼料は、 草や草から作られた餌で、生草、サイレージ、乾草などがあります。放牧を行う場合、「放牧草」や「青草」と呼ばれることもあります。繊維質が豊富で消化に時間がかかり、牛の第1胃であるルーメンを鍛えて消化・吸収機能を向上させます。濃厚飼料は、 トウモロコシ、ぬか類、大豆、大豆粕などを混ぜた混合飼料で、炭水化物やタンパク質含量が高く、栄養価も高いです。穀物飼料とも呼ばれ、エネルギー補給のために重要です。2.飼料を取り巻く現状前述の通り、飼料の価格は高騰しています。大きな要因としては、・飼料を作るための原材料(トウモロコシなどの穀物)の高騰・原油やガソリンなどの高騰・国際情勢に伴う円安などの影響 ・・・などがあります。また、日本は濃厚飼料の多くを海外からの輸入に頼っており、国内自給率が低いことが指摘されています。そのため、濃厚飼料をたくさん使っている農家さんほど、外部環境に影響されやすい経営傾向にあるといえます。3.濃厚飼料を減らす手段のひとつ「放牧」高騰しているとはいえ、大量の濃厚飼料をいきなり日本だけですべて賄うのは、簡単ではありません。そこで、もう一つの飼料である「粗飼料」がコスト削減のカギになります。今、牧草など粗飼料を活用する手段として、「放牧」が注目されています。放牧は、家畜を屋外に出して牧草を与えるスタイルです。飼料削減だけでなく、家畜の健康増進にも繋がるので、診療代の削減や労働時間の削減など、多岐にわたるメリットが期待できます。参考商品 パドック放牧200セット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら パドック放牧200ソーラーセット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4.放牧にもやり方がある? 押さえるべきポイント飼料高騰の影響もあり、「放牧を取り入れてみたい」「放牧のやり方を教えてほしい」というご相談が増えています。但し、やり方のポイントを押さえていないと、飼料削減をはじめとするメリットを得られない場合があります。主なポイントをご紹介します。4-1.頭数と草地のバランス たとえば、頭数に対して放牧地面積が広すぎると、草の食べ残しが起きてしまいます。その結果、牛に食べられる旬を逃した草はどんどん生長して、最終的に人が刈り取り掃除しなければならなくなります。また、草の伸び過ぎは、牧草地の草の密度を下げる原因になってしまうため、面積あたりで得られる草の生産量が減ってしまいます。一方で、頭数に対して適正な放牧地面積で放牧した場合、食べ残しは少なく、牧草品種によっては放牧地の草の密度UPにもつながります。4-2.草の品質 牛に食べさせる放牧草の「理想的な高さ」をご存じでしょうか?理想的な放牧草の高さは地上高15-20cmといわれています。地上高が低すぎると、生長のために草がたくさん栄養を蓄えている時期ではあるのですが、牛が食べれる草量が少なくなります。また、草の生長や再生が悪くなってしまいます。地上高が高すぎると、牛が食べれる草量は多いのですが、草は種子をつくるために栄養を使うようになっていきます。結果として、枯死している葉が多く、繊維質も強くなり、消化しにくい草になってしまいます。「15-20cm」というは、栄養価が高い草を効率良く牛に与えられる高さといえます。 ライジングプレートメーター(デジタル式) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4-3.配合飼料の量 乳生産において最も大きなコストが「飼料」といわれており、乳代(ミルクの売上金額)に対して飼料コストがどれだけかかったかを示す「乳飼比」という数値があります。乳飼比の数値が低いほど、収益が高い傾向にあり、良い経営状態といえます。放牧を導入し、栄養価の高い草を食べさせることで飼料コストが下がるので、乳飼比を低くすることができます。ところが、放牧導入しても、放牧せず畜舎内だけで飼育している場合(舎飼い)と乳飼比がほとんど変わらないケースがあります。その場合、放牧のやり方を変えることで経営状態を改善できる可能性があります。4-4.水槽の数 私たち人間も、食事をする際には、水や飲み物と一緒に食事をとりますよね。水がないと、食事が進みづらいという経験はないでしょうか。動物にとっても同じ事がいえます。放牧地に適切な数・大きさの水槽を置くことで、牧草の食い込みが良くなります。(出典:牛の引水環境を改善し肥育期の像隊安定化を目指す|全農 ちくさんクラブ)牧草の食い込みが良くなれば、毎日の乳生産量も増える傾向にあります。また、そもそも牛乳の85%以上は水分でできているので、水を飲むことで乳生産は増える傾向にあります。人によっては、乳生産で最も安い飼料は「水」だと言う方もいらっしゃいます。これは、放牧を取り入れている農家さんだけでなく、舎飼いの農家さんにも言えることです。参考記事:【 放牧 水 】知らずに損してる?放牧地に水槽を設置するメリット、ポイントをご紹介参考商品 家畜用水槽トロフ260リットル ご購入はこちら 角型水槽トロフ130リットル ご購入はこちら その他製品は >>>こちら5.(まとめ)できるところから始めよう!飼料コスト削減の取組 いかがでしたでしょうか?放牧を用いた飼料コスト削減の取り組みは、環境負荷の軽減と生産性向上の両方に貢献する素晴らしい方法です。まずは、小さなステップから始めて、現在の農場の状況や資源を見直し、取り組めることから一歩ずつ始めることが大切です。ファームエイジは、皆さんの農場での放牧導入や飼料コスト削減の取り組みをサポートします。ぜひ一緒に、より持続可能な農業経営を目指していきましょう。 全国送料無料でお届け!まずは資料請求からはじめてみる