ニュージーランド大使館、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が、13・14日の2日間にわたり「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト ディスカッショングループ 2026」を共催いたしました。

当日は酪農家をはじめ、新規就農予定者や酪農関係者が現地に集結。
放牧大国ニュージーランドから来日した専門家、ブルース・ソロルド氏を中心に、北海道の放牧酪農について議論、意見交換、情報共有などが行われました。
1.現地で学ぶ放牧の事例
1-1. 興部町・㈱Rich field 松岡牧場
放牧3年目になる松岡牧場では、実際に放牧地の草の量を計りつつ、「牛の健康を守りながら、どうやってTMR(混合飼料)主体の体系から草の利用率を高めていくか」という議論が交わされました。

TMR給与後に放牧を行っている松岡牧場では、牛たちが十分に草を食べてくれないという課題がありました。
この背景には、草を食べさせるためTMRを減らそうにも、過去にケトーシスが発生した経験から、減らせばまた牛の状態が悪化するのではないかという懸念がありました。
ブルース・ソロルド氏はこれに対し、TMRは牛にとって美味しすぎるご馳走のようなものだと説明。草を十分に食べてもらうためには感覚的な判断で量を調整するのではなく、牛のBCS・乳量・乳成分などを確認しながら、段階的に行うよう提案しました。
また、放牧に唯一無二の正解はないと留保したうえで、給与順序の工夫なども案としてあげられました。
1-2. 天塩町・高原牧場
長年放牧をしている高原牧場では、プレートメーターを用いた草量計測時の誤差やより放牧に適した牛づくりについて議論が交わされました。

草の成長速度は、季節や気温で異なってくるもの。牛を放牧する際には、この草の成長速度と牛が草を食べる速度のバランスを見る必要があります。
高原牧場では、こうした草の管理のために、プレートメーターという草の量を計る機械を用いて日々の管理を行っています。しかし、プレートメーターを使うのは人であるため、計測する人が変わればその分、誤差が生じることも。実際、現地での測定では多少の誤差が確認されました。
ブルース・ソロルド氏はこれに、プレートメーターの出す数値が絶対ではないことを強調。牧場主である高原氏も質問者に対し、プレートメーターの数値は牛の行動・乳量・天候と組み合わせて翌日の判断に使っていると述べました。
2.新規就農予定者、地域酪農家との交流
現地では、放牧のメリットである労働時間の短縮やコスト削減の話から牛の健康にまつわる話まで、2日間ともに実体験ベースの交流が盛んでした。

現地のディスカッションでは、放牧による蹄病(DD等)の減少などが実体験として新規就農予定者や地域酪農家に共有されていました。
また参加した学生からは、「小型の牛の方が牧草を効率よく利用できる」といった放牧特化の知見が良い学びになったとの感想も。
3.酪農の今後について
本プロジェクトには北海道庁・振興局や関係機関の方々も多数参加されており、現在の支援制度や新規就農者への技術伝達の場などについても、議論が交わされました。

またイベント終了後も、参加者たちの熱意溢れる交流は1時間近く続きました。
4.次回の開催予定
詳細は公式HPまたはSNS(X、Instagram)などで随時発信してまいりますので、更新をお待ちください。