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【開催レポート】~ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト ディスカッショングループ~ 2026年9月13~14日

【開催レポート】~ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト ディスカッショングループ~ 20...

2026年9月。ニュージーランド大使館、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が、13・14日の2日間にわたり「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト ディスカッショングループ 2026」を共催いたしました。当日は酪農家をはじめ、新規就農予定者や酪農関係者が現地に集結。放牧大国ニュージーランドから来日した専門家、ブルース・ソロルド氏を中心に、北海道の放牧酪農について議論、意見交換、情報共有などが行われました。1.現地で学ぶ放牧の事例1-1. 興部町・㈱Rich field 松岡牧場放牧3年目になる松岡牧場では、実際に放牧地の草の量を計りつつ、「牛の健康を守りながら、どうやってTMR(混合飼料)主体の体系から草の利用率を高めていくか」という議論が交わされました。TMR給与後に放牧を行っている松岡牧場では、牛たちが十分に草を食べてくれないという課題がありました。この背景には、草を食べさせるためTMRを減らそうにも、過去にケトーシスが発生した経験から、減らせばまた牛の状態が悪化するのではないかという懸念がありました。ブルース・ソロルド氏はこれに対し、TMRは牛にとって美味しすぎるご馳走のようなものだと説明。草を十分に食べてもらうためには感覚的な判断で量を調整するのではなく、牛のBCS・乳量・乳成分などを確認しながら、段階的に行うよう提案しました。また、放牧に唯一無二の正解はないと留保したうえで、給与順序の工夫なども案としてあげられました。1-2. 天塩町・高原牧場長年放牧をしている高原牧場では、プレートメーターを用いた草量計測時の誤差やより放牧に適した牛づくりについて議論が交わされました。草の成長速度は、季節や気温で異なってくるもの。牛を放牧する際には、この草の成長速度と牛が草を食べる速度のバランスを見る必要があります。高原牧場では、こうした草の管理のために、プレートメーターという草の量を計る機械を用いて日々の管理を行っています。しかし、プレートメーターを使うのは人であるため、計測する人が変わればその分、誤差が生じることも。実際、現地での測定では多少の誤差が確認されました。ブルース・ソロルド氏はこれに、プレートメーターの出す数値が絶対ではないことを強調。牧場主である高原氏も質問者に対し、プレートメーターの数値は牛の行動・乳量・天候と組み合わせて翌日の判断に使っていると述べました。2.新規就農予定者、地域酪農家との交流現地では、放牧のメリットである労働時間の短縮やコスト削減の話から牛の健康にまつわる話まで、2日間ともに実体験ベースの交流が盛んでした。現地のディスカッションでは、放牧による蹄病(DD等)の減少などが実体験として新規就農予定者や地域酪農家に共有されていました。また参加した学生からは、「小型の牛の方が牧草を効率よく利用できる」といった放牧特化の知見が良い学びになったとの感想も。3.酪農の今後について本プロジェクトには北海道庁・振興局や関係機関の方々も多数参加されており、現在の支援制度や新規就農者への技術伝達の場などについても、議論が交わされました。またイベント終了後も、参加者たちの熱意溢れる交流は1時間近く続きました。4.次回の開催予定詳細は公式HPまたはSNS(X、Instagram)などで随時発信してまいりますので、更新をお待ちください。

【開催レポート】~ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト ディスカッショングループ~ 20...

2026年9月。ニュージーランド大使館、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が、13・14日の2日間にわたり「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト ディスカッショングループ 2026」を共催いたしました。当日は酪農家をはじめ、新規就農予定者や酪農関係者が現地に集結。放牧大国ニュージーランドから来日した専門家、ブルース・ソロルド氏を中心に、北海道の放牧酪農について議論、意見交換、情報共有などが行われました。1.現地で学ぶ放牧の事例1-1. 興部町・㈱Rich field 松岡牧場放牧3年目になる松岡牧場では、実際に放牧地の草の量を計りつつ、「牛の健康を守りながら、どうやってTMR(混合飼料)主体の体系から草の利用率を高めていくか」という議論が交わされました。TMR給与後に放牧を行っている松岡牧場では、牛たちが十分に草を食べてくれないという課題がありました。この背景には、草を食べさせるためTMRを減らそうにも、過去にケトーシスが発生した経験から、減らせばまた牛の状態が悪化するのではないかという懸念がありました。ブルース・ソロルド氏はこれに対し、TMRは牛にとって美味しすぎるご馳走のようなものだと説明。草を十分に食べてもらうためには感覚的な判断で量を調整するのではなく、牛のBCS・乳量・乳成分などを確認しながら、段階的に行うよう提案しました。また、放牧に唯一無二の正解はないと留保したうえで、給与順序の工夫なども案としてあげられました。1-2. 天塩町・高原牧場長年放牧をしている高原牧場では、プレートメーターを用いた草量計測時の誤差やより放牧に適した牛づくりについて議論が交わされました。草の成長速度は、季節や気温で異なってくるもの。牛を放牧する際には、この草の成長速度と牛が草を食べる速度のバランスを見る必要があります。高原牧場では、こうした草の管理のために、プレートメーターという草の量を計る機械を用いて日々の管理を行っています。しかし、プレートメーターを使うのは人であるため、計測する人が変わればその分、誤差が生じることも。実際、現地での測定では多少の誤差が確認されました。ブルース・ソロルド氏はこれに、プレートメーターの出す数値が絶対ではないことを強調。牧場主である高原氏も質問者に対し、プレートメーターの数値は牛の行動・乳量・天候と組み合わせて翌日の判断に使っていると述べました。2.新規就農予定者、地域酪農家との交流現地では、放牧のメリットである労働時間の短縮やコスト削減の話から牛の健康にまつわる話まで、2日間ともに実体験ベースの交流が盛んでした。現地のディスカッションでは、放牧による蹄病(DD等)の減少などが実体験として新規就農予定者や地域酪農家に共有されていました。また参加した学生からは、「小型の牛の方が牧草を効率よく利用できる」といった放牧特化の知見が良い学びになったとの感想も。3.酪農の今後について本プロジェクトには北海道庁・振興局や関係機関の方々も多数参加されており、現在の支援制度や新規就農者への技術伝達の場などについても、議論が交わされました。またイベント終了後も、参加者たちの熱意溢れる交流は1時間近く続きました。4.次回の開催予定詳細は公式HPまたはSNS(X、Instagram)などで随時発信してまいりますので、更新をお待ちください。

【開催レポート】「1頭」から「1ha」の収益へ。ニュージーランド×北海道 放牧オンラインセミナー2026春

【開催レポート】「1頭」から「1ha」の収益へ。ニュージーランド×北海道 放牧オンラインセミナ...

2026年5月29日、ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、そして弊社ファームエイジ株式会社の共催による「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト 放牧オンラインセミナー2026春」を開催いたしました。当日は、現役の酪農家さんをはじめ、関係団体の方々、新規就農を目指す方、さらには海外での放牧経験を持つ方など、約70名もの皆様にオンライン(Zoom)でご参加いただきました。ニュージーランドから放牧のスペシャリストであるキース・ベタリッジ氏とブルース・ソロルド氏を迎え、北海道で実践する酪農家さんを交えて行われた熱意あふれる議論の様子を、ダイジェストでお届けします!1.北海道の酪農家による「集約放牧」実践事例まずは、北海道で実際に放牧へ取り組み、大きな成果を上げているお二人の酪農家さんから、リアルな現場の声をお話しいただきました。2-1. 小区画管理による「集約放牧」への転換(興部町・リッチフィールド/松岡洋平 氏)フリーストール牛舎の建設後、思うように放牧が進まず本プロジェクトに参加したという松岡氏。従来型の放牧から、放牧地を16〜17の小区画(牧区)に分けて細かく管理する「集約放牧」へと大きな転換を図りました。3年間の実践を通じ、牛が放牧草を効率よく採食できるようになり、結果として配合飼料の給与量削減に成功。現在は近隣の離農跡地も活用し、さらなる放牧地の拡大を進めているという力強いご報告をいただきました。2-2. 「1頭当たり」から「1ヘクタール当たり」の経営へ(天塩町・高原牧場/高原弘雄 氏)高原氏のお話で非常に印象的だったのは、その「発想の転換」です。従来の「1頭当たりの乳量」を追求する考え方から、「1ヘクタール当たりの収益」を重視する土地利用型経営へシフト。現在は最大43牧区を活用した集約放牧を実践されています。これにより、飼料コストや労働時間を大幅に削減し、外部環境(飼料価格の高騰など)に左右されにくい強固な収益構造を構築。「放牧は感覚ではなく、改善の積み重ね。観察とデータを基にした意思決定が重要である」という言葉には、多くの参加者が頷いていました。2.本場NZの専門家と考える、放牧技術と経営マインドセミナー後半のディスカッションでは、ニュージーランドの専門家2名を交え、放牧を成功させるための考え方や課題について深掘りしました。3.放牧成功のための三原則 (キース・ベタリッジ 氏)キース氏は、放牧成功の鍵として「搾乳施設と放牧地の距離」を挙げ、従来の舎飼い中心の固定観念を見直す必要性を指摘しました。 草地管理の徹底が最優先: 品種や牧草の種類にこだわる前に、まずは今の草地管理を徹底することが経営改善への近道。 外で学ぶ文化を持つ: 酪農家同士が互いに学び合う「コミュニティワーク」が、持続可能な酪農経営には不可欠である。 4. 経営戦略と現場観察の両立 (ブルース・ソロルド 氏)ブルース氏は、「どのような酪農を実現したいのか」という根本的な経営戦略の重要性を説きました。 戦略なき観察は活きない: 「何頭飼うか、どれだけの土地を使うか、どんな飼料体系にするか」を明確にした上で、現場での牛の行動や残草量の細かな観察を続けることが求められる。 利益の差は「スキル」の差: 100%放牧型から購入飼料を活用するシステムまで多様な形態があるが、利益に差を生むのはシステムの違いではなく「経営・放牧管理のスキル」である。 データ至上主義: すべての意思決定は「データ(数値による可視化)」に基づくべきである。 5. 放牧を「できる」に変えるための4つのポイント最後に、本セミナーの司会を務めた弊社(ファームエイジ)の高田健次より、放牧を実践し成功させるための総括として、以下の4つのポイントを挙げさせていただきました。 情報を実践へ変える「モチベーションと学習意欲」 草地利用効率を高めるための「データ活用」 ディスカッショングループを通じた「仲間との学び合い」 行政・産業による「多角的な支援体制の活用」 放牧は一人で悩むのではなく、データに基づき、仲間と共に学び合いながら改善していくことが大切です。6. 次回のイベント・セミナー開催について本プロジェクトでは、今後も現場実践を通じた放牧酪農の発展と、持続可能な酪農を担う人材育成を目指し、以下の活動を予定しています。...

【開催レポート】「1頭」から「1ha」の収益へ。ニュージーランド×北海道 放牧オンラインセミナ...

2026年5月29日、ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、そして弊社ファームエイジ株式会社の共催による「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト 放牧オンラインセミナー2026春」を開催いたしました。当日は、現役の酪農家さんをはじめ、関係団体の方々、新規就農を目指す方、さらには海外での放牧経験を持つ方など、約70名もの皆様にオンライン(Zoom)でご参加いただきました。ニュージーランドから放牧のスペシャリストであるキース・ベタリッジ氏とブルース・ソロルド氏を迎え、北海道で実践する酪農家さんを交えて行われた熱意あふれる議論の様子を、ダイジェストでお届けします!1.北海道の酪農家による「集約放牧」実践事例まずは、北海道で実際に放牧へ取り組み、大きな成果を上げているお二人の酪農家さんから、リアルな現場の声をお話しいただきました。2-1. 小区画管理による「集約放牧」への転換(興部町・リッチフィールド/松岡洋平 氏)フリーストール牛舎の建設後、思うように放牧が進まず本プロジェクトに参加したという松岡氏。従来型の放牧から、放牧地を16〜17の小区画(牧区)に分けて細かく管理する「集約放牧」へと大きな転換を図りました。3年間の実践を通じ、牛が放牧草を効率よく採食できるようになり、結果として配合飼料の給与量削減に成功。現在は近隣の離農跡地も活用し、さらなる放牧地の拡大を進めているという力強いご報告をいただきました。2-2. 「1頭当たり」から「1ヘクタール当たり」の経営へ(天塩町・高原牧場/高原弘雄 氏)高原氏のお話で非常に印象的だったのは、その「発想の転換」です。従来の「1頭当たりの乳量」を追求する考え方から、「1ヘクタール当たりの収益」を重視する土地利用型経営へシフト。現在は最大43牧区を活用した集約放牧を実践されています。これにより、飼料コストや労働時間を大幅に削減し、外部環境(飼料価格の高騰など)に左右されにくい強固な収益構造を構築。「放牧は感覚ではなく、改善の積み重ね。観察とデータを基にした意思決定が重要である」という言葉には、多くの参加者が頷いていました。2.本場NZの専門家と考える、放牧技術と経営マインドセミナー後半のディスカッションでは、ニュージーランドの専門家2名を交え、放牧を成功させるための考え方や課題について深掘りしました。3.放牧成功のための三原則 (キース・ベタリッジ 氏)キース氏は、放牧成功の鍵として「搾乳施設と放牧地の距離」を挙げ、従来の舎飼い中心の固定観念を見直す必要性を指摘しました。 草地管理の徹底が最優先: 品種や牧草の種類にこだわる前に、まずは今の草地管理を徹底することが経営改善への近道。 外で学ぶ文化を持つ: 酪農家同士が互いに学び合う「コミュニティワーク」が、持続可能な酪農経営には不可欠である。 4. 経営戦略と現場観察の両立 (ブルース・ソロルド 氏)ブルース氏は、「どのような酪農を実現したいのか」という根本的な経営戦略の重要性を説きました。 戦略なき観察は活きない: 「何頭飼うか、どれだけの土地を使うか、どんな飼料体系にするか」を明確にした上で、現場での牛の行動や残草量の細かな観察を続けることが求められる。 利益の差は「スキル」の差: 100%放牧型から購入飼料を活用するシステムまで多様な形態があるが、利益に差を生むのはシステムの違いではなく「経営・放牧管理のスキル」である。 データ至上主義: すべての意思決定は「データ(数値による可視化)」に基づくべきである。 5. 放牧を「できる」に変えるための4つのポイント最後に、本セミナーの司会を務めた弊社(ファームエイジ)の高田健次より、放牧を実践し成功させるための総括として、以下の4つのポイントを挙げさせていただきました。 情報を実践へ変える「モチベーションと学習意欲」 草地利用効率を高めるための「データ活用」 ディスカッショングループを通じた「仲間との学び合い」 行政・産業による「多角的な支援体制の活用」 放牧は一人で悩むのではなく、データに基づき、仲間と共に学び合いながら改善していくことが大切です。6. 次回のイベント・セミナー開催について本プロジェクトでは、今後も現場実践を通じた放牧酪農の発展と、持続可能な酪農を担う人材育成を目指し、以下の活動を予定しています。...

収益のピークは春に創る!「早期放牧」で無理なく実現する高収益経営

収益のピークは春に創る!「早期放牧」で無理なく実現する高収益経営

「放牧に最適な季節は?」と聞かれたとき、どの季節が思い浮かびますか?実は、放牧の「開始時期」によって、生産性が大きく異なります。中でも、冬が終わってから早い段階から牛を外に出す「早期放牧」は、初めての方でも取り組みやすく、草地の生産性を高めるうえでも有効な戦略です。本記事では、早期放牧のメリットや、基礎的な情報、把握しておくべきポイントをご紹介します。1. 早期放牧とは?:「牧草のピーク」を逃がさない技術1-1.早期放牧とは雪解け後、牧草の成長が本格化する一歩手前の段階から放牧を開始する管理手法です。北海道などの積雪地では、地面が乾き始め、草丈が数センチ(目安として10cm程度)になってからがスタートの目安となります。1-2.なぜ早期放牧が注目されるのか春先の牧草の急激な成長を「スプリングフラッシュ」と呼びます。この時期を過ぎると、牧草はすぐに硬くなり、栄養価が落ちてしまいます。従来の「草がたっぷり伸びてから」ではなく、「草の栄養価が高い時期」と「放牧のタイミング」を合わせることで、放牧の生産性を最大限にすることができます。2. 早期放牧がもたらす5つの経営的メリット早期放牧は、単に「早く外に出す作業」ではなく、放牧の生産性を高める戦略のひとつです。2-1.乳牛のストレス軽減と健康増進冬季間、牛舎の中で凝り固まった牛たちの体を外で運動させることで、早期のストレス解消につながります。適度な運動は蹄(ひづめ)の健康や、乾物摂取量の向上にもつながります。2-2.購入飼料コスト削減春先の成長がピークに達する牧草は、タンパク質含有量が高く、非常に消化が良い「天然の濃厚飼料」といえます。早い段階から摂取させることで、購入飼料低減などコスト削減にもつながります。2-3.牧草管理の効率化(スプリングフラッシュの抑制)放牧や採草開始が遅れると、草が余ってしまいます。伸びきった牧草は繊維質が固くなり、栄養価も低下します。早期から家畜の採食圧をかけることで、牧草の生育を抑え、草地全体の品質保持につながります。2-4.循環型農業・環境への貢献牛が自ら草を食べ、その場で排泄する。このサイクルを早期から確立することで、ふん尿処理の労働負荷を軽減し、土壌の有機物循環を促進します。「環境に優しい農業」は、現代の消費者や市場からも強く求められている価値です。3. 失敗しないために。知っておくべき早期放牧のポイント早期放牧にはいくつかの「ポイント」があることを覚えておきましょう。3-1.段階的に放牧する冬の餌から急激に牧草(青草)に切り替えると、牛のルーメン(第一胃)に影響が出ることがあります。最初は短い時間から放牧を、1週間から10日かけて徐々に放牧時間を延ばす「馴致(慣らし)」が大切です。また、突然の豪雨をさえぎるシェルターや林など、牛が退避できる環境作りができると理想です。3-2.泥濘(でいねい)化に注意する特に北海道などの積雪地帯では、春先の牧草地は水分を多く含み、非常にぬかるみやすい状態です。そのため、ある程度草地が乾いた状態であることが必要です。放牧が早すぎると、牛の踏みつけで「泥濘化(でいねいか)」を引き起こし、乳房炎や蹄病、草地の裸地化の原因になります。 牧道マット(ペグセット) ご購入はこちら トロフマット(土間材) ご購入はこちら 3-3.補助飼料を準備しておく春先の牧草はエネルギーが非常に高い一方で、その年の天候などによっては生育が不安定になる場合があります。牛の採食行動を観察し、エネルギー不足している場合は、良質なラップサイレージなどを補助的に給与するなど、補助的に飼料を用意しておくとよいでしょう。3-4.水飲み場を用意する見落とされがちな点ですが、「外に出れば草の水分で十分」と考えるのは禁物です。放牧地でも、常に新鮮で清潔な水が飲める水槽(トロフ)があることは、採食量だけでなく乳量生産にも関係してきます。参考商品 家畜用水槽トロフ260リットル ご購入はこちら 角型水槽トロフ130リットル ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4. 牧場運営視点で考える早期放牧計画以下のアイテムを活用することで早期放牧のメリットを最大化が期待できます。4-1.電気柵を使った集約放牧(牧区設計と管理サイクルの構築)電気柵を活用することで、放牧地を細かく区切って、ローテーションさせる「集約放牧」ができます。これにより、牛の頭数や草地面積に応じて、早期放牧をフレキシブルに調整することができます。また、「放牧する期間」と「休ませる期間」を明確にできるなど、管理面でもメリットがたくさんあります。参考商品 パドック放牧200セット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら パドック放牧200ソーラーセット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4-2.ライジングプレートメーターの活用(草地モニタリングと科学的判断)「なんとなく」で放牧を始めず、草の量を「数値で把握」しましょう。ライジングプレートメーターを使うことで、草地の乾物収量の推定値を算出することができます。これによって、この放牧地にはどれだけの草があり、何頭の牛をどれぐらいの期間放牧できるのかの目安を立てることができます。 ライジングプレートメーター(デジタル式) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4-3.放牧簡易シミュレーターいくつかの条件を入れることで、どれぐらいの投資が必要なのか、何年ぐらいで償却できるのかが試算できます。これから放牧導入を検討されている方や、営農計画を立てるうえでの検討資料になるでしょう。また、専門スタッフが情報をもとにさらに詳細なアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。詳しくは >>> こちら4-4.ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトニュージーランド政府、フォンテラ社、ファームエイジ株式会社による取組で、北海道とホクレンが協力しています。放牧における牧草地の利用効率と酪農経営の採算性向上を目的として、平成26年 8月 から2年間のプロジェクトとして開始した後、道内4地域の調査対象農家の追跡調査を行うため、プロジェクトを...

収益のピークは春に創る!「早期放牧」で無理なく実現する高収益経営

「放牧に最適な季節は?」と聞かれたとき、どの季節が思い浮かびますか?実は、放牧の「開始時期」によって、生産性が大きく異なります。中でも、冬が終わってから早い段階から牛を外に出す「早期放牧」は、初めての方でも取り組みやすく、草地の生産性を高めるうえでも有効な戦略です。本記事では、早期放牧のメリットや、基礎的な情報、把握しておくべきポイントをご紹介します。1. 早期放牧とは?:「牧草のピーク」を逃がさない技術1-1.早期放牧とは雪解け後、牧草の成長が本格化する一歩手前の段階から放牧を開始する管理手法です。北海道などの積雪地では、地面が乾き始め、草丈が数センチ(目安として10cm程度)になってからがスタートの目安となります。1-2.なぜ早期放牧が注目されるのか春先の牧草の急激な成長を「スプリングフラッシュ」と呼びます。この時期を過ぎると、牧草はすぐに硬くなり、栄養価が落ちてしまいます。従来の「草がたっぷり伸びてから」ではなく、「草の栄養価が高い時期」と「放牧のタイミング」を合わせることで、放牧の生産性を最大限にすることができます。2. 早期放牧がもたらす5つの経営的メリット早期放牧は、単に「早く外に出す作業」ではなく、放牧の生産性を高める戦略のひとつです。2-1.乳牛のストレス軽減と健康増進冬季間、牛舎の中で凝り固まった牛たちの体を外で運動させることで、早期のストレス解消につながります。適度な運動は蹄(ひづめ)の健康や、乾物摂取量の向上にもつながります。2-2.購入飼料コスト削減春先の成長がピークに達する牧草は、タンパク質含有量が高く、非常に消化が良い「天然の濃厚飼料」といえます。早い段階から摂取させることで、購入飼料低減などコスト削減にもつながります。2-3.牧草管理の効率化(スプリングフラッシュの抑制)放牧や採草開始が遅れると、草が余ってしまいます。伸びきった牧草は繊維質が固くなり、栄養価も低下します。早期から家畜の採食圧をかけることで、牧草の生育を抑え、草地全体の品質保持につながります。2-4.循環型農業・環境への貢献牛が自ら草を食べ、その場で排泄する。このサイクルを早期から確立することで、ふん尿処理の労働負荷を軽減し、土壌の有機物循環を促進します。「環境に優しい農業」は、現代の消費者や市場からも強く求められている価値です。3. 失敗しないために。知っておくべき早期放牧のポイント早期放牧にはいくつかの「ポイント」があることを覚えておきましょう。3-1.段階的に放牧する冬の餌から急激に牧草(青草)に切り替えると、牛のルーメン(第一胃)に影響が出ることがあります。最初は短い時間から放牧を、1週間から10日かけて徐々に放牧時間を延ばす「馴致(慣らし)」が大切です。また、突然の豪雨をさえぎるシェルターや林など、牛が退避できる環境作りができると理想です。3-2.泥濘(でいねい)化に注意する特に北海道などの積雪地帯では、春先の牧草地は水分を多く含み、非常にぬかるみやすい状態です。そのため、ある程度草地が乾いた状態であることが必要です。放牧が早すぎると、牛の踏みつけで「泥濘化(でいねいか)」を引き起こし、乳房炎や蹄病、草地の裸地化の原因になります。 牧道マット(ペグセット) ご購入はこちら トロフマット(土間材) ご購入はこちら 3-3.補助飼料を準備しておく春先の牧草はエネルギーが非常に高い一方で、その年の天候などによっては生育が不安定になる場合があります。牛の採食行動を観察し、エネルギー不足している場合は、良質なラップサイレージなどを補助的に給与するなど、補助的に飼料を用意しておくとよいでしょう。3-4.水飲み場を用意する見落とされがちな点ですが、「外に出れば草の水分で十分」と考えるのは禁物です。放牧地でも、常に新鮮で清潔な水が飲める水槽(トロフ)があることは、採食量だけでなく乳量生産にも関係してきます。参考商品 家畜用水槽トロフ260リットル ご購入はこちら 角型水槽トロフ130リットル ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4. 牧場運営視点で考える早期放牧計画以下のアイテムを活用することで早期放牧のメリットを最大化が期待できます。4-1.電気柵を使った集約放牧(牧区設計と管理サイクルの構築)電気柵を活用することで、放牧地を細かく区切って、ローテーションさせる「集約放牧」ができます。これにより、牛の頭数や草地面積に応じて、早期放牧をフレキシブルに調整することができます。また、「放牧する期間」と「休ませる期間」を明確にできるなど、管理面でもメリットがたくさんあります。参考商品 パドック放牧200セット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら パドック放牧200ソーラーセット(オンライン限定セット・周囲200m・約25a分) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4-2.ライジングプレートメーターの活用(草地モニタリングと科学的判断)「なんとなく」で放牧を始めず、草の量を「数値で把握」しましょう。ライジングプレートメーターを使うことで、草地の乾物収量の推定値を算出することができます。これによって、この放牧地にはどれだけの草があり、何頭の牛をどれぐらいの期間放牧できるのかの目安を立てることができます。 ライジングプレートメーター(デジタル式) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら4-3.放牧簡易シミュレーターいくつかの条件を入れることで、どれぐらいの投資が必要なのか、何年ぐらいで償却できるのかが試算できます。これから放牧導入を検討されている方や、営農計画を立てるうえでの検討資料になるでしょう。また、専門スタッフが情報をもとにさらに詳細なアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。詳しくは >>> こちら4-4.ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトニュージーランド政府、フォンテラ社、ファームエイジ株式会社による取組で、北海道とホクレンが協力しています。放牧における牧草地の利用効率と酪農経営の採算性向上を目的として、平成26年 8月 から2年間のプロジェクトとして開始した後、道内4地域の調査対象農家の追跡調査を行うため、プロジェクトを...

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放牧酪農の基本と実践ノウハウ|草地管理からデータ活用まで

放牧酪農は、牛に自由に草を食べさせるだけの単純な飼養方法ではありません。持続的に収益を上げるためには、草地の質・土壌環境・採食量の把握といった抑えておくべきポイントの理解が不可欠です。本記事では、放牧酪農を始める人や改善したい人のために、現場で実践されているノウハウの一部をまとめました。1.草地管理の基本1-1.栄養価の高い草の種類放牧の成功は、まず草の選定から始まります。地域や環境によって選択できる草種は限られる場合がありますが、代表的な放牧草としては次のような種類があります。クローバー 栄養価が高く、牛の嗜好性も良い草種。根粒菌を宿し、空気中の窒素を固定するため肥料コストを削減できます。ペレニアルライグラス 消化性と再生力に優れ、放牧に向く草種として広く知られています。オーチャードグラス 繊維質が多く、草地の耐久性を高めることができます。ポイントは、単一の草種になるのではなく、いろんな草種類をバランスよく組み合わせることで、牛にとって食べやすく栄養価が高い草地を維持できます。2.土壌づくりと水はけの改善健康な草を育てるには、土壌の整備が欠かせません。実際の現場では、スコップで土を掘って根の張り方や状態を確認します。2-1."ルートマット"を確認するルートマットとは、植物の根の層のことを指します。ルートマットが厚い土は保水性と通気性のバランスが良く、根が深く張ることができます。2-2.団粒構造を確認する土壌粒子が小さな団子状の塊になり、それらがバランスよく混ざり合っている状態を指します。団粒構造のある土はミミズや微生物の活動が活発で、栄養循環がスムーズになります。2-3.雑草の役割を理解するギシギシのような根の太い雑草は必ずしも悪ではなく、土に水や空気の通り道を作る役割があります。「見た目が良い草地」も大切ですが、土の中の状態を把握することで、より長期的な牧場経営の鍵です。3.採食量をデータで管理するライジングプレートメーター放牧では、牛がどれくらい草を食べたかを定量的に把握することが重要です。ここで活用されるのが ライジングプレートメーター(RPM) という測定器具です。草の上にプレートを何度も下ろし、草の高さからおおよその乾物重量を算出できます。これにより、放牧前後の草量を比較し、1頭あたりの採食量を把握できます。数値に基づき「明日も同じ区画に放すか」「新しい区画に移すか」といった判断が可能です。たとえば、半日で1頭あたり10kg以上の生草を採食していることが分かれば、配合飼料を減らす判断材料にもなります。4.コストと栄養価のバランス高品質な放牧草は、配合飼料と同等の栄養価を持ちながら、コストは大幅に低いとされています。十分な草量を確保できる環境であれば、飼料コストを大きく削減できる可能性があります。ただし、インフラ整備(柵・水場・牧道など)や草地更新には初期投資が必要です。放牧と購入飼料のバランスを試算し、経営面からも最適化することが大切です。5.マインドセットが成功を左右する放牧酪農を続けるうえでは、単なる技術だけではなく考え方の柔軟さも大切です。常に、牛を「草を利益に変える社員」ととらえ、草地管理=経営改善という意識を持つ。このマインドセットがあれば、変化する環境や市場に合わせて牧場経営を進化させることができます。まとめ放牧酪農は「牛を草地に放すだけ」ではなく、科学的なデータ管理・土壌改善・コスト計算・経営的視点が組み合わさって初めて成果を出せます。今回ご紹介したポイントを取り入れることで、放牧はコスト削減だけでなく、牛と牧場の持続可能な未来を支える手段となるでしょう。

放牧酪農の基本と実践ノウハウ|草地管理からデータ活用まで

放牧酪農は、牛に自由に草を食べさせるだけの単純な飼養方法ではありません。持続的に収益を上げるためには、草地の質・土壌環境・採食量の把握といった抑えておくべきポイントの理解が不可欠です。本記事では、放牧酪農を始める人や改善したい人のために、現場で実践されているノウハウの一部をまとめました。1.草地管理の基本1-1.栄養価の高い草の種類放牧の成功は、まず草の選定から始まります。地域や環境によって選択できる草種は限られる場合がありますが、代表的な放牧草としては次のような種類があります。クローバー 栄養価が高く、牛の嗜好性も良い草種。根粒菌を宿し、空気中の窒素を固定するため肥料コストを削減できます。ペレニアルライグラス 消化性と再生力に優れ、放牧に向く草種として広く知られています。オーチャードグラス 繊維質が多く、草地の耐久性を高めることができます。ポイントは、単一の草種になるのではなく、いろんな草種類をバランスよく組み合わせることで、牛にとって食べやすく栄養価が高い草地を維持できます。2.土壌づくりと水はけの改善健康な草を育てるには、土壌の整備が欠かせません。実際の現場では、スコップで土を掘って根の張り方や状態を確認します。2-1."ルートマット"を確認するルートマットとは、植物の根の層のことを指します。ルートマットが厚い土は保水性と通気性のバランスが良く、根が深く張ることができます。2-2.団粒構造を確認する土壌粒子が小さな団子状の塊になり、それらがバランスよく混ざり合っている状態を指します。団粒構造のある土はミミズや微生物の活動が活発で、栄養循環がスムーズになります。2-3.雑草の役割を理解するギシギシのような根の太い雑草は必ずしも悪ではなく、土に水や空気の通り道を作る役割があります。「見た目が良い草地」も大切ですが、土の中の状態を把握することで、より長期的な牧場経営の鍵です。3.採食量をデータで管理するライジングプレートメーター放牧では、牛がどれくらい草を食べたかを定量的に把握することが重要です。ここで活用されるのが ライジングプレートメーター(RPM) という測定器具です。草の上にプレートを何度も下ろし、草の高さからおおよその乾物重量を算出できます。これにより、放牧前後の草量を比較し、1頭あたりの採食量を把握できます。数値に基づき「明日も同じ区画に放すか」「新しい区画に移すか」といった判断が可能です。たとえば、半日で1頭あたり10kg以上の生草を採食していることが分かれば、配合飼料を減らす判断材料にもなります。4.コストと栄養価のバランス高品質な放牧草は、配合飼料と同等の栄養価を持ちながら、コストは大幅に低いとされています。十分な草量を確保できる環境であれば、飼料コストを大きく削減できる可能性があります。ただし、インフラ整備(柵・水場・牧道など)や草地更新には初期投資が必要です。放牧と購入飼料のバランスを試算し、経営面からも最適化することが大切です。5.マインドセットが成功を左右する放牧酪農を続けるうえでは、単なる技術だけではなく考え方の柔軟さも大切です。常に、牛を「草を利益に変える社員」ととらえ、草地管理=経営改善という意識を持つ。このマインドセットがあれば、変化する環境や市場に合わせて牧場経営を進化させることができます。まとめ放牧酪農は「牛を草地に放すだけ」ではなく、科学的なデータ管理・土壌改善・コスト計算・経営的視点が組み合わさって初めて成果を出せます。今回ご紹介したポイントを取り入れることで、放牧はコスト削減だけでなく、牛と牧場の持続可能な未来を支える手段となるでしょう。

ボードゲーム-4

放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー4|ボードゲーム誕生秘話

最後に、リリースまでの道のりを振り返りと、ご協力いただいた皆様への感謝、そして、今後の展望についてお話ししたいと思います。1.完成までを振り返って(ファームエイジ㈱ 大西 商品開発マネージャー) まさか、電気柵メーカーに入社して放牧のボードゲームを作成することになるとは、夢にも思いませんでした(笑)。はじめは突拍子もないアイディアだと思いましたが、酪農や農家さんを取り巻く環境を変えるには、今までにない新しい切り口が必要だという、共通認識が社内にはありました。多くの人に協力して頂くことで完成にまでこぎつけることができました。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。酪農や放牧に興味がある学生さんにはぜひ手に取ってほしいと思いますし、農業や環境に興味のある一般の方々にも、ぜひ一度プレイしていただけると嬉しいなと思います。まだ初版ですので、ルールやデザインも少しずつアップデートしていきながら、おもしろおかしく、放牧の価値をたくさんの方に届けていきたいと思います。2.社員もやってみる!みんなでデモプレイ!社内でもやってみました! 皆、不思議そうに眺めたり、サイコロを振ってみたり…最初は緊張気味でしたがゲームが進むにつれ、「わー豪雨発生したー」や「よーし、おれは牛よりも草地を増やすぞ~」など、いろんな声が聞こえてくるように。そこそこいい年齢の大人が集まってのプレイでしたが、気づけばあっという間に時間が過ぎて、普段自分たちがかかわっている放牧酪農を別角度から再確認できた、という声も聞くことができました。3.ここからがスタート。多くの人に手に取ってもらうために。(ファームエイジ㈱ 高田 副社長)ここまで、ボードゲームストーリーにお付き合いいただき、ありがとうございました。放牧は、日本においてはまだマイナーな畜産技術ですが、人と自然、牛が調和した素晴らしい生産方式の一つです。我々ファームエイジは40年にわたって、その普及や推進を行ってきましたが、まだ道半ば。どうすればもっと多くの人に知っていただけるかを考えた結果、今回のボードゲームの開発に行きつきました。このゲームは、現在の生産者さんだけでなく、跡継ぎの方や、これから新規就農を考えている方々だけを対象としたわけではありません。農家ではないけれど興味がある、将来農家をやってみたい学生さん、都会の主婦の方…垣根を越えて、いろんな方にこのゲームをプレイしていただき、少しでも放牧酪農を知るきっかけになってくれればと願っております。本ゲームは、弊社公式オンラインショップで販売していますので、ぜひそちらもご覧ください。販売サイトは >>> こちらバックナンバー・ストーリー1・ストーリー2・ストーリー3

放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー4|ボードゲーム誕生秘話

最後に、リリースまでの道のりを振り返りと、ご協力いただいた皆様への感謝、そして、今後の展望についてお話ししたいと思います。1.完成までを振り返って(ファームエイジ㈱ 大西 商品開発マネージャー) まさか、電気柵メーカーに入社して放牧のボードゲームを作成することになるとは、夢にも思いませんでした(笑)。はじめは突拍子もないアイディアだと思いましたが、酪農や農家さんを取り巻く環境を変えるには、今までにない新しい切り口が必要だという、共通認識が社内にはありました。多くの人に協力して頂くことで完成にまでこぎつけることができました。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。酪農や放牧に興味がある学生さんにはぜひ手に取ってほしいと思いますし、農業や環境に興味のある一般の方々にも、ぜひ一度プレイしていただけると嬉しいなと思います。まだ初版ですので、ルールやデザインも少しずつアップデートしていきながら、おもしろおかしく、放牧の価値をたくさんの方に届けていきたいと思います。2.社員もやってみる!みんなでデモプレイ!社内でもやってみました! 皆、不思議そうに眺めたり、サイコロを振ってみたり…最初は緊張気味でしたがゲームが進むにつれ、「わー豪雨発生したー」や「よーし、おれは牛よりも草地を増やすぞ~」など、いろんな声が聞こえてくるように。そこそこいい年齢の大人が集まってのプレイでしたが、気づけばあっという間に時間が過ぎて、普段自分たちがかかわっている放牧酪農を別角度から再確認できた、という声も聞くことができました。3.ここからがスタート。多くの人に手に取ってもらうために。(ファームエイジ㈱ 高田 副社長)ここまで、ボードゲームストーリーにお付き合いいただき、ありがとうございました。放牧は、日本においてはまだマイナーな畜産技術ですが、人と自然、牛が調和した素晴らしい生産方式の一つです。我々ファームエイジは40年にわたって、その普及や推進を行ってきましたが、まだ道半ば。どうすればもっと多くの人に知っていただけるかを考えた結果、今回のボードゲームの開発に行きつきました。このゲームは、現在の生産者さんだけでなく、跡継ぎの方や、これから新規就農を考えている方々だけを対象としたわけではありません。農家ではないけれど興味がある、将来農家をやってみたい学生さん、都会の主婦の方…垣根を越えて、いろんな方にこのゲームをプレイしていただき、少しでも放牧酪農を知るきっかけになってくれればと願っております。本ゲームは、弊社公式オンラインショップで販売していますので、ぜひそちらもご覧ください。販売サイトは >>> こちらバックナンバー・ストーリー1・ストーリー2・ストーリー3

nzp20250509 (2)

ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト 放牧オンラインセミナー2025春 開催レポート

2025年5月9日、ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が主体となる「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト」にて、放牧酪農セミナー2025春を開催しました。当日は酪農家、関係団体など、北海道のみならず全国から50名程の方にご参加いただきました。 今回のセミナーでは、自給飼料の活用、所得向上と時間効率化、技術の普及とモチベーション維持といった重要なポイントに加え、特に「ファームウォーク」という概念に焦点が当てられました。1.ニュージーランド酪農の現状と「ファームウォーク」の重要性 和田氏1-1. ニュージーランド酪農の特性と経営の背景 和田さんは、まず自身の経歴とニュージーランドでの酪農経験を紹介し、同国の酪農産業の現状について説明しました。ニュージーランドの酪農は、国際乳価の変動による影響を受けやすく、酪農家の収入に大きく影響します。しかしながら、乳価が低かった時代でも高い収益性を維持していた背景には、放牧畜産システムと季節繁殖という、効率性に優れた酪農モデルの存在があったことを強調しました。1-2. ファームウォークによる放牧管理と経営の最適化 次に、和田さんは放牧草について、購入飼料と比べて大幅なコスト削減が可能であることを説明しました。そして、自身が経営するポプラファームでの放牧管理の手法を紹介し、その中心にあるのが「ファームウォーク」であると述べました。ファームウォークとは、ライジングプレートメーター(以下RPA)を用いて草量を測定し、放牧計画や飼料管理に活かす管理手法です。RPAによって得た情報をアベレージ・パスチャーカバー(APC)として数値化し、日々の牛の必要飼料量と比較します。そうすることで、放牧ローテーションや移動電気柵の移設、残草量の確認を行っています。また、和田さんは、草地管理を怠るとどのような影響ができるかについても、具体的な事例をしました。自身の牧場で、わずか2週間管理を怠ったことで、30万〜40万ドルの損失が発生したというのです。このデータは参加者に対してもインパクトが大きく、データに基づく精密な管理の重要性を強く訴えました。2.北海道におけるニュージーランド放牧技術の実践 高原牧場代表 高原氏2-1.ニュージーランド技術の導入と成果高原氏は、北海道天塩町での自身の酪農経営において、ニュージーランドの酪農技術、特に「ファームウォーク」の考え方を積極的に導入した事例を紹介しました。ニュージーランドとは規模や自然環境が異なることを認識しつつも、「自分たちの環境にどう落とし込めるか」を常に考え、前向きに技術を取り入れてきたと話しています。その結果、放牧による乳量の増加、飼料コストの削減、農業所得の安定化といった成果を実現。特に、以前はわずかであった草からの乳量が、プロジェクト参加以降大きく増え、現在では年間乳量の半分以上を自給飼料で確保できるようになったと、具体的な数値を交えて説明しました。2-2.改善志向と現場主義が支える持続可能な放牧管理以前勤めていた自動車メーカーで培った「改善意識」や「PDCAサイクル」の考え方を、酪農経営に応用していると述べていました。放牧地の状況を測定した上で、即座に判断・対応する迅速な意思決定を重視しており、これは日々のローテーション管理において特に重要なポイントとしています。さらに、新規就農者とのファームウォークを通じたデータ共有・分析の事例を紹介しました。地域や土壌条件の違いを踏まえながら、「大切なのは、上に生えている牧草が何かを見極め、それをどう活かすかが重要」であると強調しました。また、牧草の成長段階に応じたローテーション管理や、春先の急激な草の成長(スプリングフラッシュ)への対応など、実践的な管理方法にも触れ、現場に根ざした改善型経営の有効性を示しました。3.質疑応答(一部を抜粋)Q|NZでは温暖化の影響はありますか?A|和田さん:そうですね。特にカンタベリー地方において、以前は4~6月にかけて草の成長がかなり鈍っていました。ところが、最近では4~5月でもかなり草が育ちますし、6~7月も年によっては15kgDM/ha程度成長することもあり、明らかに気温が上がってきた実感があります。A|高原さん:こちらはどちらかというと、気温の上昇というよりも、「長雨」が増えてきた印象があります。以前は6月上旬に1番草を収穫するのが通例でしたが、ちょうどその時期に雨が重なるようになり、作業のタイミングがどんどんズレてきています。Q|ファームウォークには個人の草地を見る技術や経験値がとても重要になるように感じました。1日に2回見ることもあるとのことでしたが、その様な条件の中で休暇の確保やワークライフバランスをどのように確保しているのでしょうか。NZではその辺りも含めて手法が確立されているのでしょうか?A|和田さん:理想は毎日自ら草地を確認することですが、家族との時間も重視し、信頼できる従業員に業務を委任する体制を整えています。放牧計画を共有することで、チームでの協働が可能となり、効率的な運営とワークライフバランスが実現できています。また、フィードウェッジ(飼料供給計画)を活用することで、管理の標準化が進み、オーナーが不在でも牧場が問題なく回る仕組みが確立されています。さらに、ニュージーランドでは季節繁殖が基本であり、冬期に搾乳を行わないため、長期休暇の取得も可能になっています。Q|日本や北海道で、酪農経営をどこまで学べるのか?新規就農者にはどんな心構えが必要かA|高原さん:私は、新規就農にあたって大切なことは、(1)覚悟、(2)理論武装(知識の習得)、(3)マインドセット(前向きな姿勢)の3点だと思っています。特にマインドセットは、困難な状況でも前向きに捉える強さを持つこと。日本の酪農では補助飼料が豊富で、“そこそこ”やれてしまう環境があります。だからこそ、あえて上を目指す意識、自分の経営をより良くしていこうという気持ちを持てるかが重要だと思います。A|和田さん:ニュージーランド人の良いところは、“固定観念がない”ことだと思います。いいものがあれば、すぐに取り入れる柔軟さと切り替えの早さがあるんです。例えば南島では、以前は100年も続いた羊農家が、「酪農の方が収益が上がる」と分かった途端に、すぐに酪農に切り替えたりしています。日本でも、例えば高原さんの経営のように、「放牧で収益が上がっている」という事実があるのなら、それを見て“良いものは良い”と素直に認めて学ぶ姿勢が大事だと思います。おそらくニュージーランド人が日本で酪農をしていたら、高原さんの方法を見て、10人中9人はすぐに放牧に切り替えると思いますよ。4.まとめ4-1.酪農を“作業”から“ビジネス”へ:利益を生む牧場経営の鍵 キース・ベタリッジ氏キース氏は酪農を単なる作業ではなくビジネスとして捉え、自給飼料の最大限の活用と利益の最大化を目指すべきであると強調しました。そのためには、過去の慣習に捉われず、常に最新の知識を取り入れ、農場から得られる正確なデータに基づいて経営判断を行うことが不可欠であると述べました。特に、高品質なサイレージ生産、放牧草の効率的な管理と摂取量の最大化、そして市場や牧草の状態変化に合わせた柔軟なプランの見直しと最適化の重要性を指摘しました。4-2.セミナー全体を振り返って ファームエイジ㈱ 高田最後にセミナー全体を振り返り、「自給飼料の活用」「所得向上」「時間効率」、そして「ファームウォーク」が重要なキーワードであったと改めて強調しました。ニュージーランドの技術が北海道でも十分に活用できる可能性を示唆し、今後ファームウォークの実践機会の提供や、具体的な数値を活用した装置管理技術に関する対話の場を設けていく意向を示しました。持続可能な酪農の実現に向け、今後もセミナーを通じて情報共有と議論を継続していくことを伝え、セミナーは終了しました。5.次回の開催について日程が確定次第、HP、SNS上などでご案内差し上げます。また、記事についてご不明点などございましたら、以下の問合せ先までご連絡ください。

ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト 放牧オンラインセミナー2025春 開催レポート

2025年5月9日、ニュージーランド政府、フォンテラジャパン株式会社、ファームエイジ株式会社が主体となる「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト」にて、放牧酪農セミナー2025春を開催しました。当日は酪農家、関係団体など、北海道のみならず全国から50名程の方にご参加いただきました。 今回のセミナーでは、自給飼料の活用、所得向上と時間効率化、技術の普及とモチベーション維持といった重要なポイントに加え、特に「ファームウォーク」という概念に焦点が当てられました。1.ニュージーランド酪農の現状と「ファームウォーク」の重要性 和田氏1-1. ニュージーランド酪農の特性と経営の背景 和田さんは、まず自身の経歴とニュージーランドでの酪農経験を紹介し、同国の酪農産業の現状について説明しました。ニュージーランドの酪農は、国際乳価の変動による影響を受けやすく、酪農家の収入に大きく影響します。しかしながら、乳価が低かった時代でも高い収益性を維持していた背景には、放牧畜産システムと季節繁殖という、効率性に優れた酪農モデルの存在があったことを強調しました。1-2. ファームウォークによる放牧管理と経営の最適化 次に、和田さんは放牧草について、購入飼料と比べて大幅なコスト削減が可能であることを説明しました。そして、自身が経営するポプラファームでの放牧管理の手法を紹介し、その中心にあるのが「ファームウォーク」であると述べました。ファームウォークとは、ライジングプレートメーター(以下RPA)を用いて草量を測定し、放牧計画や飼料管理に活かす管理手法です。RPAによって得た情報をアベレージ・パスチャーカバー(APC)として数値化し、日々の牛の必要飼料量と比較します。そうすることで、放牧ローテーションや移動電気柵の移設、残草量の確認を行っています。また、和田さんは、草地管理を怠るとどのような影響ができるかについても、具体的な事例をしました。自身の牧場で、わずか2週間管理を怠ったことで、30万〜40万ドルの損失が発生したというのです。このデータは参加者に対してもインパクトが大きく、データに基づく精密な管理の重要性を強く訴えました。2.北海道におけるニュージーランド放牧技術の実践 高原牧場代表 高原氏2-1.ニュージーランド技術の導入と成果高原氏は、北海道天塩町での自身の酪農経営において、ニュージーランドの酪農技術、特に「ファームウォーク」の考え方を積極的に導入した事例を紹介しました。ニュージーランドとは規模や自然環境が異なることを認識しつつも、「自分たちの環境にどう落とし込めるか」を常に考え、前向きに技術を取り入れてきたと話しています。その結果、放牧による乳量の増加、飼料コストの削減、農業所得の安定化といった成果を実現。特に、以前はわずかであった草からの乳量が、プロジェクト参加以降大きく増え、現在では年間乳量の半分以上を自給飼料で確保できるようになったと、具体的な数値を交えて説明しました。2-2.改善志向と現場主義が支える持続可能な放牧管理以前勤めていた自動車メーカーで培った「改善意識」や「PDCAサイクル」の考え方を、酪農経営に応用していると述べていました。放牧地の状況を測定した上で、即座に判断・対応する迅速な意思決定を重視しており、これは日々のローテーション管理において特に重要なポイントとしています。さらに、新規就農者とのファームウォークを通じたデータ共有・分析の事例を紹介しました。地域や土壌条件の違いを踏まえながら、「大切なのは、上に生えている牧草が何かを見極め、それをどう活かすかが重要」であると強調しました。また、牧草の成長段階に応じたローテーション管理や、春先の急激な草の成長(スプリングフラッシュ)への対応など、実践的な管理方法にも触れ、現場に根ざした改善型経営の有効性を示しました。3.質疑応答(一部を抜粋)Q|NZでは温暖化の影響はありますか?A|和田さん:そうですね。特にカンタベリー地方において、以前は4~6月にかけて草の成長がかなり鈍っていました。ところが、最近では4~5月でもかなり草が育ちますし、6~7月も年によっては15kgDM/ha程度成長することもあり、明らかに気温が上がってきた実感があります。A|高原さん:こちらはどちらかというと、気温の上昇というよりも、「長雨」が増えてきた印象があります。以前は6月上旬に1番草を収穫するのが通例でしたが、ちょうどその時期に雨が重なるようになり、作業のタイミングがどんどんズレてきています。Q|ファームウォークには個人の草地を見る技術や経験値がとても重要になるように感じました。1日に2回見ることもあるとのことでしたが、その様な条件の中で休暇の確保やワークライフバランスをどのように確保しているのでしょうか。NZではその辺りも含めて手法が確立されているのでしょうか?A|和田さん:理想は毎日自ら草地を確認することですが、家族との時間も重視し、信頼できる従業員に業務を委任する体制を整えています。放牧計画を共有することで、チームでの協働が可能となり、効率的な運営とワークライフバランスが実現できています。また、フィードウェッジ(飼料供給計画)を活用することで、管理の標準化が進み、オーナーが不在でも牧場が問題なく回る仕組みが確立されています。さらに、ニュージーランドでは季節繁殖が基本であり、冬期に搾乳を行わないため、長期休暇の取得も可能になっています。Q|日本や北海道で、酪農経営をどこまで学べるのか?新規就農者にはどんな心構えが必要かA|高原さん:私は、新規就農にあたって大切なことは、(1)覚悟、(2)理論武装(知識の習得)、(3)マインドセット(前向きな姿勢)の3点だと思っています。特にマインドセットは、困難な状況でも前向きに捉える強さを持つこと。日本の酪農では補助飼料が豊富で、“そこそこ”やれてしまう環境があります。だからこそ、あえて上を目指す意識、自分の経営をより良くしていこうという気持ちを持てるかが重要だと思います。A|和田さん:ニュージーランド人の良いところは、“固定観念がない”ことだと思います。いいものがあれば、すぐに取り入れる柔軟さと切り替えの早さがあるんです。例えば南島では、以前は100年も続いた羊農家が、「酪農の方が収益が上がる」と分かった途端に、すぐに酪農に切り替えたりしています。日本でも、例えば高原さんの経営のように、「放牧で収益が上がっている」という事実があるのなら、それを見て“良いものは良い”と素直に認めて学ぶ姿勢が大事だと思います。おそらくニュージーランド人が日本で酪農をしていたら、高原さんの方法を見て、10人中9人はすぐに放牧に切り替えると思いますよ。4.まとめ4-1.酪農を“作業”から“ビジネス”へ:利益を生む牧場経営の鍵 キース・ベタリッジ氏キース氏は酪農を単なる作業ではなくビジネスとして捉え、自給飼料の最大限の活用と利益の最大化を目指すべきであると強調しました。そのためには、過去の慣習に捉われず、常に最新の知識を取り入れ、農場から得られる正確なデータに基づいて経営判断を行うことが不可欠であると述べました。特に、高品質なサイレージ生産、放牧草の効率的な管理と摂取量の最大化、そして市場や牧草の状態変化に合わせた柔軟なプランの見直しと最適化の重要性を指摘しました。4-2.セミナー全体を振り返って ファームエイジ㈱ 高田最後にセミナー全体を振り返り、「自給飼料の活用」「所得向上」「時間効率」、そして「ファームウォーク」が重要なキーワードであったと改めて強調しました。ニュージーランドの技術が北海道でも十分に活用できる可能性を示唆し、今後ファームウォークの実践機会の提供や、具体的な数値を活用した装置管理技術に関する対話の場を設けていく意向を示しました。持続可能な酪農の実現に向け、今後もセミナーを通じて情報共有と議論を継続していくことを伝え、セミナーは終了しました。5.次回の開催について日程が確定次第、HP、SNS上などでご案内差し上げます。また、記事についてご不明点などございましたら、以下の問合せ先までご連絡ください。

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放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー2|ボードゲーム誕生秘話

役員のひらめきからあっさり始まったボードゲームの構築。ここからが苦悩の連続でした。1. 苦悩と恐怖さて、どうしたものか。開発チームの脳裏は、不安で埋め尽くされていた。とはいえ、決まった以上、何か手を動かさなければいけない。まずは放牧に関する要素を整理することから始めた。2. やりたいこと、入れたいことはいっぱいあるのに、うまくゲームに乗らない放牧といっても、その要素は本当に幅広い。草や牛だけでなく、人や天候、トラクター、搾乳設備、土の中のミミズまで…思いつくものを片っ端から挙げていくと、とんでもない量になった。並べてみて、改めて気づく。多すぎる……!放牧とは、膨大な要素が絡み合い、複雑に成り立っているものだった。これをゲームとして体験できるようにするのは面白そうだけど、どう落とし込む?毎日考えては手直しをし、社内レビューをしては修正を繰り返す。不安とワクワクが入り混じる日々。気づけば、開発チームの机の上には チョコレートの包み紙(たまにエナジードリンク) が山積みになっていた。3. 色んなゲームの完成度を見てビビる他のボードゲームはどんな感じなんだろう?開発のヒントを得るために、調査してみる。。。……ところが、どれも完成度が高い……しかも面白そう……!これと肩を並べるゲームを自分たちが作る……?不安が増してしまうことも多々。自問自答の日々が続く中、開発チームを覗きに来たのは 言い出しっぺの役員。そして、何か言いたげな表情でひと言。「いいね、そろそろ助っ人を投入しようか。」……え?4. 助っ人登場!突然、社内で「ボードゲームと称したミーティング」が開かれた。開発チームの不安をよそに、現れたのは 一人の男性。聞けば、ボードゲームを趣味にしているとのこと。「この方に、今回のボードゲームの支援をお願いしようと思うんだ」はじめから役員は ある程度の段階で助っ人を投入するつもりだったらしい。(早く言ってくれ……!)こうして新たなメンバーを迎えた開発チームは、ギアを上げ始める。さらには、デザイナーの投入、新たな視点 が加わり、ようやく完成形が見え始めた。いける。開発チームの心に、ついに光が差し込んだ。そして、気づけば 机の上からチョコレートの包み紙は消えていた。バックナンバー・ストーリー1

放牧酪農の未来をゲームで伝えたい!ストーリー2|ボードゲーム誕生秘話

役員のひらめきからあっさり始まったボードゲームの構築。ここからが苦悩の連続でした。1. 苦悩と恐怖さて、どうしたものか。開発チームの脳裏は、不安で埋め尽くされていた。とはいえ、決まった以上、何か手を動かさなければいけない。まずは放牧に関する要素を整理することから始めた。2. やりたいこと、入れたいことはいっぱいあるのに、うまくゲームに乗らない放牧といっても、その要素は本当に幅広い。草や牛だけでなく、人や天候、トラクター、搾乳設備、土の中のミミズまで…思いつくものを片っ端から挙げていくと、とんでもない量になった。並べてみて、改めて気づく。多すぎる……!放牧とは、膨大な要素が絡み合い、複雑に成り立っているものだった。これをゲームとして体験できるようにするのは面白そうだけど、どう落とし込む?毎日考えては手直しをし、社内レビューをしては修正を繰り返す。不安とワクワクが入り混じる日々。気づけば、開発チームの机の上には チョコレートの包み紙(たまにエナジードリンク) が山積みになっていた。3. 色んなゲームの完成度を見てビビる他のボードゲームはどんな感じなんだろう?開発のヒントを得るために、調査してみる。。。……ところが、どれも完成度が高い……しかも面白そう……!これと肩を並べるゲームを自分たちが作る……?不安が増してしまうことも多々。自問自答の日々が続く中、開発チームを覗きに来たのは 言い出しっぺの役員。そして、何か言いたげな表情でひと言。「いいね、そろそろ助っ人を投入しようか。」……え?4. 助っ人登場!突然、社内で「ボードゲームと称したミーティング」が開かれた。開発チームの不安をよそに、現れたのは 一人の男性。聞けば、ボードゲームを趣味にしているとのこと。「この方に、今回のボードゲームの支援をお願いしようと思うんだ」はじめから役員は ある程度の段階で助っ人を投入するつもりだったらしい。(早く言ってくれ……!)こうして新たなメンバーを迎えた開発チームは、ギアを上げ始める。さらには、デザイナーの投入、新たな視点 が加わり、ようやく完成形が見え始めた。いける。開発チームの心に、ついに光が差し込んだ。そして、気づけば 机の上からチョコレートの包み紙は消えていた。バックナンバー・ストーリー1

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【放牧酪農 コラム】キース・ベタリッジのNZ酪農最新NEWS_Vol,04 KPI作成のために...

 ビジネスにおいて成功するためには、KPI(主要業績評価指標)設定とデータの活用が不可欠です。本記事では、ニュージーランドの酪農家が実践する『数字を知る』という考え方をご紹介します。酪農経営の改善に役立つKPIの設定やデータ活用のヒントになるでしょう。バックナンバー・vol01_あなたの農業ビジネスと環境・Vol02_数字を知ることのメリット・Vol,03 ストレスとメンタルヘルスビジネスを理解する革新的な世界中のビジネスオーナーは定期的に、自社の利益を前進させるための目標を設定しています。そのためには、現在のビジネスの状況を把握する必要があります。生産レベル、製品の需要、生産効率、機会、製造とサプライチェーンへのスタッフのコミットメント、新しい融資資金の源、経営者と従業員の新しい仕事への対応能力などです。それらの機会を優先順位付けし、近い将来に容易に達成できる最も価値のあるものを選びます。これを行うために、ニュージーランドの酪農場では「自分の数字を知る」と言います。農場で行われるすべてのことは、測定された重量やサイレージの品質、スタッフと動物の健康、スタッフの休暇、使用された肥料、生産された牛乳、繁殖能力、牛乳の品質などで数量化できます。しかし、データの分析なしには数字を知ってもあまり価値がありません。農場のパフォーマンスをランク付けするあなたの農場のデータを地元の農場や地域内の農場と比較します。ニュージーランドで実施されているディスカッショングループでは、農場のオーナーたちはミーティングで他の人と自分の農場のデータについて話し合います。なぜなら、失うよりも得るものがはるかに多いからです。彼らにとって、隣人は競争相手ではありません。すべての酪農家は同じビジネスにいますし、誰でも成功することを望んでいます。それは北海道の酪農家だけでなく、ニュージーランドの酪農家が自分たちの産業が成功することを望んでいるのと同じです。あなたの農場で抱えている問題は、ほぼ間違いなく他の農場でも同様です。成績が悪いことを恥じるのではなく、他の人が喜んであなたの問題を克服するのを手伝ってくれることを喜びましょう。ニュージーランドには、DairyNZデータベース(デイリーベース)内で農場と生産のパフォーマンスを比較するために、9000戸のニュージーランドの酪農家がデータを集めています。しかし、他の人と比較するためにはまず自分の農場の数字を知らなければなりません。優秀な農場は明らかであり、他の農場よりも良くする共通の理由がしばしばあります。農場のパフォーマンスを向上させる方法もし、あなたの農場が高いレベルに達していないならば、目標設定をする必要がありますその後、何を変更できるか、どのように実施するか、新しいリソースが必要か、そしてどのようなスケジュールで変更からの計測可能な結果を達成するかを決定します。例えば、平均乳量を泌乳期間で引き上げるためには何をすればよいか、牧道の改善を依頼すること、牛のひづめの損傷を最小限に抑えるため業者に依頼ができる体制であるかなどです。これらの目標はKPIと呼ばれます。KPIを設定する おそらく、1年間でうまく達成できる目標よりも多くの課題があるでしょう。あなたには十分な現金、動物、機械、労働力、または冬のための十分な畜舎がないかもしれません。改良された牧草種で草地を改善するには、2年かかるかもしれません。家族や雇用されたスタッフ、銀行マネージャー、農場コンサルタントの助けを借りて、次の12ヶ月以内に最大の価値を生み出すKPIを優先順位付けすることがあなたの任務です。最初の年には2つまたは3つのKPIしかないかもしれませんが、その後はもっと多くなるかもしれません。新しいKPIを開始するためのタイムラインを作成したり、年間の途中評価(たとえば、月次); そのKPIの実施と進捗報告を責任を負うスタッフを割り当てたりする必要もあります。KPIの成果を評価するKPIのターゲットが達成されない場合があります。落胆しないで、問題を修正する方法を見つけ、そのKPIのためにタイムラインを再設定します。また、新しいプロセスの作成、実施、および進捗のモニタリングに関与するすべての農場労働者、所有者、およびコンサルタントが必要です。ただしこれを自分ひとりで行わないでください。例えば、放牧の終了時の残余牧草が1,500〜1,600kg乾物質/haであるというKPIは、管理する農場労働者が理解する必要があります。・その数値がどのように見えるか・次に牧草地が再度放牧されるとき、牧草の品質が向上すること・品質が高ければ牧草の利用率が向上し、それにより成長期間中の牧草の生産が増加すること・さらに、毎日同じレベルの補助的なTMR(総合飼料)を与え続けると、牛が牧草の割り当てを十分に食べきれず、牧草が無駄にされ、結果的にコストが高くなる可能性があることこのような理由から、他のKPI(たとえば、飼料コストの削減)を達成することができない場合もあります。農場労働者を巻き込むしばしば日本の農場労働者はこの知識を持つことをあまり許されていません。したがって、マネージャーが休んでいると、労働者は何をすべきかわかりません。その結果、KPIの目標は今年達成されない可能性があります。数字を知ることは、問題や機会を特定し、KPIを実施しながら進捗を監視するために不可欠です。この進捗に関わる人が多ければ多いほど、成功の可能性が高くなります。ニュージーランドでは、優れた農場主は優れたコンサルタントを雇い、年間を通じて銀行マネージャーに財務進捗を報告し、農場スタッフと定期的に会議を開いて農場のパフォーマンスに関する情報を共有します。成功を報酬で称える仕事がうまくいった場合、農場スタッフには報酬が与えられます。これには多くのお金がかかるわけではありませんが、農場労働者は自分の成功に対して良い気持ちを持つことができます。報酬には、研修コースに参加すること、2〜3日間の休暇を与えること、5%の昇給などが含まれます。労働者は感謝されていると感じ、長期間同じ農場で働き続ける可能性が高くなります。このような農場マネージャーは、しばしば農場で働きたい人のリストを持っています。原文:キース・ベターリッジ翻訳:ファームエイジ株式会社 高田

【放牧酪農 コラム】キース・ベタリッジのNZ酪農最新NEWS_Vol,04 KPI作成のために...

 ビジネスにおいて成功するためには、KPI(主要業績評価指標)設定とデータの活用が不可欠です。本記事では、ニュージーランドの酪農家が実践する『数字を知る』という考え方をご紹介します。酪農経営の改善に役立つKPIの設定やデータ活用のヒントになるでしょう。バックナンバー・vol01_あなたの農業ビジネスと環境・Vol02_数字を知ることのメリット・Vol,03 ストレスとメンタルヘルスビジネスを理解する革新的な世界中のビジネスオーナーは定期的に、自社の利益を前進させるための目標を設定しています。そのためには、現在のビジネスの状況を把握する必要があります。生産レベル、製品の需要、生産効率、機会、製造とサプライチェーンへのスタッフのコミットメント、新しい融資資金の源、経営者と従業員の新しい仕事への対応能力などです。それらの機会を優先順位付けし、近い将来に容易に達成できる最も価値のあるものを選びます。これを行うために、ニュージーランドの酪農場では「自分の数字を知る」と言います。農場で行われるすべてのことは、測定された重量やサイレージの品質、スタッフと動物の健康、スタッフの休暇、使用された肥料、生産された牛乳、繁殖能力、牛乳の品質などで数量化できます。しかし、データの分析なしには数字を知ってもあまり価値がありません。農場のパフォーマンスをランク付けするあなたの農場のデータを地元の農場や地域内の農場と比較します。ニュージーランドで実施されているディスカッショングループでは、農場のオーナーたちはミーティングで他の人と自分の農場のデータについて話し合います。なぜなら、失うよりも得るものがはるかに多いからです。彼らにとって、隣人は競争相手ではありません。すべての酪農家は同じビジネスにいますし、誰でも成功することを望んでいます。それは北海道の酪農家だけでなく、ニュージーランドの酪農家が自分たちの産業が成功することを望んでいるのと同じです。あなたの農場で抱えている問題は、ほぼ間違いなく他の農場でも同様です。成績が悪いことを恥じるのではなく、他の人が喜んであなたの問題を克服するのを手伝ってくれることを喜びましょう。ニュージーランドには、DairyNZデータベース(デイリーベース)内で農場と生産のパフォーマンスを比較するために、9000戸のニュージーランドの酪農家がデータを集めています。しかし、他の人と比較するためにはまず自分の農場の数字を知らなければなりません。優秀な農場は明らかであり、他の農場よりも良くする共通の理由がしばしばあります。農場のパフォーマンスを向上させる方法もし、あなたの農場が高いレベルに達していないならば、目標設定をする必要がありますその後、何を変更できるか、どのように実施するか、新しいリソースが必要か、そしてどのようなスケジュールで変更からの計測可能な結果を達成するかを決定します。例えば、平均乳量を泌乳期間で引き上げるためには何をすればよいか、牧道の改善を依頼すること、牛のひづめの損傷を最小限に抑えるため業者に依頼ができる体制であるかなどです。これらの目標はKPIと呼ばれます。KPIを設定する おそらく、1年間でうまく達成できる目標よりも多くの課題があるでしょう。あなたには十分な現金、動物、機械、労働力、または冬のための十分な畜舎がないかもしれません。改良された牧草種で草地を改善するには、2年かかるかもしれません。家族や雇用されたスタッフ、銀行マネージャー、農場コンサルタントの助けを借りて、次の12ヶ月以内に最大の価値を生み出すKPIを優先順位付けすることがあなたの任務です。最初の年には2つまたは3つのKPIしかないかもしれませんが、その後はもっと多くなるかもしれません。新しいKPIを開始するためのタイムラインを作成したり、年間の途中評価(たとえば、月次); そのKPIの実施と進捗報告を責任を負うスタッフを割り当てたりする必要もあります。KPIの成果を評価するKPIのターゲットが達成されない場合があります。落胆しないで、問題を修正する方法を見つけ、そのKPIのためにタイムラインを再設定します。また、新しいプロセスの作成、実施、および進捗のモニタリングに関与するすべての農場労働者、所有者、およびコンサルタントが必要です。ただしこれを自分ひとりで行わないでください。例えば、放牧の終了時の残余牧草が1,500〜1,600kg乾物質/haであるというKPIは、管理する農場労働者が理解する必要があります。・その数値がどのように見えるか・次に牧草地が再度放牧されるとき、牧草の品質が向上すること・品質が高ければ牧草の利用率が向上し、それにより成長期間中の牧草の生産が増加すること・さらに、毎日同じレベルの補助的なTMR(総合飼料)を与え続けると、牛が牧草の割り当てを十分に食べきれず、牧草が無駄にされ、結果的にコストが高くなる可能性があることこのような理由から、他のKPI(たとえば、飼料コストの削減)を達成することができない場合もあります。農場労働者を巻き込むしばしば日本の農場労働者はこの知識を持つことをあまり許されていません。したがって、マネージャーが休んでいると、労働者は何をすべきかわかりません。その結果、KPIの目標は今年達成されない可能性があります。数字を知ることは、問題や機会を特定し、KPIを実施しながら進捗を監視するために不可欠です。この進捗に関わる人が多ければ多いほど、成功の可能性が高くなります。ニュージーランドでは、優れた農場主は優れたコンサルタントを雇い、年間を通じて銀行マネージャーに財務進捗を報告し、農場スタッフと定期的に会議を開いて農場のパフォーマンスに関する情報を共有します。成功を報酬で称える仕事がうまくいった場合、農場スタッフには報酬が与えられます。これには多くのお金がかかるわけではありませんが、農場労働者は自分の成功に対して良い気持ちを持つことができます。報酬には、研修コースに参加すること、2〜3日間の休暇を与えること、5%の昇給などが含まれます。労働者は感謝されていると感じ、長期間同じ農場で働き続ける可能性が高くなります。このような農場マネージャーは、しばしば農場で働きたい人のリストを持っています。原文:キース・ベターリッジ翻訳:ファームエイジ株式会社 高田

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【雪 電気柵】積雪地でも電気柵は使える? 注意すべきポイントと豪雪地帯での導入事例をご紹介

日本における豪雪地帯は、日本全体の面積の51%程度といわれており、ほぼ半分の地域が積雪を伴う環境にあります。(引用:(参考資料)豪雪地帯の現状 - 国土交通省)そんな中、稀に以下のようなお問合せを受けます。「雪が降っても電気柵は使える?」「真冬でも電気柵を使いたいけど、どう設置すれば良い?」この記事では、電気柵の仕組みに関する基礎的な知識から、積雪地での設置・管理方法や導入事例についてご紹介いたします。1.電気柵の仕組みまずは、電気柵の仕組みからご紹介します。電気柵は、野生動物対策として幅広く利用されており、中山間地の田畑や牧場の周囲でよく見かけます。電気柵の仕組みとして、 動物が電気柵ワイヤーに触れることで、電気が動物の体を通って地面に流れ、アースから本器へ流れる電気柵の回路が成立します。これにより強いショックに驚いた動物は、その後心理的に柵に近寄りにくくなります。参考記事・【間違えない・失敗しないため】電気柵の設置方法とワンポイントアドバイス(動画あり)2.積雪地で電気柵を使用するとどうなる? 前項をふまえ、積雪地で電気柵を設置すると、どのようなことが起きるか、主なポイントをご説明します。1-1.アースの効果が薄れれてしまう 特に、豪雪地域のように何十センチも降り積もると、地面の上に雪の層ができます。また、冬に氷点下まで気温が下がる寒冷地では、積雪が少なくても土壌凍結(土の中にある水分が凍ること)を起こします。このような現象が起こると、電気柵におけるアースの効果が薄れてしまいます。そのため、ワイヤーに適切な電気が流れていても、動物に与えるショックが小さくなり、侵入や脱柵を許してしまう可能性があります。参考記事・【電気柵 アース】アースは必要?仕組みやよくあるお問合せをご紹介参考商品 基本アースセット ご購入はこちら アース棒(90cm) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら1-2.柵の破損につながる 電気柵の支柱は、動物が衝突した際の衝撃を柵全体で緩和するため、しなりやすい構造であることが重要です。しかし、積雪が多い地域では、雪解け時に一気に負荷がかかることで支柱が折れたり、ワイヤーが切れたりする恐れがあります。そのため、多雪・豪雪地域では、電気柵の支柱やワイヤーを回収することが基本となります。1-3.ソーラーパネルの効率が下がる 電気柵の電源にバッテリーとソーラーパネルを併用して使われている方は多いと思います。パネル面に雪が積もると太陽光を受けることができず、発電効率が下がってしまいます。長期間放置するとバッテリーがなくなってしまう恐れがあります。2.積雪地における電気柵設置事例 前述した通り、積雪地で電気柵を使用することは容易ではありません。使用する場合は、積雪量や環境に応じた設置・管理方法が必要になります。ただ、それでも「野生動物被害を防ぐためにどうしても電気柵を設置したい」「金網やフェンスでは高額になる・・・費用を抑えたい」といった切実なお声もいただきます。そのような場合、「恒久電気柵(こうきゅうでんきさく)」があります。2-1.恒久電気柵(こうきゅうでんきさく)とは? 耐久性に優れており、フェンシングワイヤー(高張力鋼線)を使用した恒久柵は20年以上設置されている事例もあります。また、インサルウッド(絶縁性の高い木)のバトンを使用することで農村らしい、景観的にも優れたフェンスに仕上がります。積雪の多い地域では倒伏することで、破損を防ぎ、春先に柵上げをするだけで簡単に管理ができます。参考記事・恒久柵(こうきゅうさく)2-2.事例|鹿対策電気柵 北海道内での設置事例です。地域一帯が山に囲まれており、シカによる農作物被害が急増している状況でした。さらに、積雪も2m近く降る豪雪地帯で、農家さんが個別に電気柵を設置すると膨大な費用がかかるため、地域一帯を囲うように恒久電気柵を設置しています。ここでは、インサルウッドではなくグラスファイバー製の「グラファイ ポール」を採用しています。グラファイ ポールはインサルウッドよりも細く・軽量で安価なため、よりコストを下げるだけでなく、なるべく地域の農家さん同士で維持管理していくための手間を軽減しています。冬季間は柵全体を倒伏して、春先になると再び柵を立ち上げることで、豪雪による破損を防いでいます。参考商品 グラファイポール10型2000mm10本束(直径10mm 長さ2000mm)※クリップ別売 ご購入はこちら クリップ10型 50個入(グラファイポール10型用 通常タイプ )※ポール別売 ご購入はこちら その他製品は >>>こちら・参考記事簡易恒久柵(かんいこうきゅうさく)2-3.事例|牛用電気柵(放牧) 弊社実験農場(デモファーム)での事例です。毎年牛や羊などの家畜を導入しながら、新しい電気柵の設置試験や社内・社外研修の場として活用しています。 約10haの敷地に恒久柵を設置しています。毎年春にスタッフが柵上げ(倒伏した柵を起こすこと)を行い、雪が降る前に倒伏しています。20年近く使用していますが、補修するところは毎年ごく一部で、主にその年に入った新人スタッフが研修として、補修・管理しています。参考商品 インサルウッド#1090(絶縁性木柱) ご購入はこちら [インサルウッド固定部品]パーマネント用ワイヤータイ100個入 ご購入はこちら その他製品は >>>こちら2-4.その他事例|バイパスワイヤーを使った事例 北海道内の事例です。鹿対策として導入いただきました。さきほどの恒久柵と違う点として、まず、支柱は一度設置したら回収しなくて済むよう単管に。電気柵ワイヤーは「バイパスワイヤー」を使用しました。バイパスワイヤーは鉄線のワイヤーを編んだ電気柵ワイヤーです。恒久柵で使用するフェンシングワイヤーほど固くなく、柔軟性があるため施工がしやすいワイヤーです。恒久柵のように、積雪による破損を防ぐために倒伏を行えるよう設計しました。雪が降る前に、緊張を弛めてワイヤーを地面に倒します。雪が解けたら、緊張をかけてワイヤーを再度ピンと張ります。このようにワイヤーを「回収」するのではなく「倒伏」 することで、積雪による破損を防ぐことができます。ポリワイヤーを使う一般的な「簡易電気柵」よりもコスト面がかかってしまいますが、豪雪地帯ではこのような電気柵の張り方も可能です。参考商品...

【雪 電気柵】積雪地でも電気柵は使える? 注意すべきポイントと豪雪地帯での導入事例をご紹介

日本における豪雪地帯は、日本全体の面積の51%程度といわれており、ほぼ半分の地域が積雪を伴う環境にあります。(引用:(参考資料)豪雪地帯の現状 - 国土交通省)そんな中、稀に以下のようなお問合せを受けます。「雪が降っても電気柵は使える?」「真冬でも電気柵を使いたいけど、どう設置すれば良い?」この記事では、電気柵の仕組みに関する基礎的な知識から、積雪地での設置・管理方法や導入事例についてご紹介いたします。1.電気柵の仕組みまずは、電気柵の仕組みからご紹介します。電気柵は、野生動物対策として幅広く利用されており、中山間地の田畑や牧場の周囲でよく見かけます。電気柵の仕組みとして、 動物が電気柵ワイヤーに触れることで、電気が動物の体を通って地面に流れ、アースから本器へ流れる電気柵の回路が成立します。これにより強いショックに驚いた動物は、その後心理的に柵に近寄りにくくなります。参考記事・【間違えない・失敗しないため】電気柵の設置方法とワンポイントアドバイス(動画あり)2.積雪地で電気柵を使用するとどうなる? 前項をふまえ、積雪地で電気柵を設置すると、どのようなことが起きるか、主なポイントをご説明します。1-1.アースの効果が薄れれてしまう 特に、豪雪地域のように何十センチも降り積もると、地面の上に雪の層ができます。また、冬に氷点下まで気温が下がる寒冷地では、積雪が少なくても土壌凍結(土の中にある水分が凍ること)を起こします。このような現象が起こると、電気柵におけるアースの効果が薄れてしまいます。そのため、ワイヤーに適切な電気が流れていても、動物に与えるショックが小さくなり、侵入や脱柵を許してしまう可能性があります。参考記事・【電気柵 アース】アースは必要?仕組みやよくあるお問合せをご紹介参考商品 基本アースセット ご購入はこちら アース棒(90cm) ご購入はこちら その他製品は >>>こちら1-2.柵の破損につながる 電気柵の支柱は、動物が衝突した際の衝撃を柵全体で緩和するため、しなりやすい構造であることが重要です。しかし、積雪が多い地域では、雪解け時に一気に負荷がかかることで支柱が折れたり、ワイヤーが切れたりする恐れがあります。そのため、多雪・豪雪地域では、電気柵の支柱やワイヤーを回収することが基本となります。1-3.ソーラーパネルの効率が下がる 電気柵の電源にバッテリーとソーラーパネルを併用して使われている方は多いと思います。パネル面に雪が積もると太陽光を受けることができず、発電効率が下がってしまいます。長期間放置するとバッテリーがなくなってしまう恐れがあります。2.積雪地における電気柵設置事例 前述した通り、積雪地で電気柵を使用することは容易ではありません。使用する場合は、積雪量や環境に応じた設置・管理方法が必要になります。ただ、それでも「野生動物被害を防ぐためにどうしても電気柵を設置したい」「金網やフェンスでは高額になる・・・費用を抑えたい」といった切実なお声もいただきます。そのような場合、「恒久電気柵(こうきゅうでんきさく)」があります。2-1.恒久電気柵(こうきゅうでんきさく)とは? 耐久性に優れており、フェンシングワイヤー(高張力鋼線)を使用した恒久柵は20年以上設置されている事例もあります。また、インサルウッド(絶縁性の高い木)のバトンを使用することで農村らしい、景観的にも優れたフェンスに仕上がります。積雪の多い地域では倒伏することで、破損を防ぎ、春先に柵上げをするだけで簡単に管理ができます。参考記事・恒久柵(こうきゅうさく)2-2.事例|鹿対策電気柵 北海道内での設置事例です。地域一帯が山に囲まれており、シカによる農作物被害が急増している状況でした。さらに、積雪も2m近く降る豪雪地帯で、農家さんが個別に電気柵を設置すると膨大な費用がかかるため、地域一帯を囲うように恒久電気柵を設置しています。ここでは、インサルウッドではなくグラスファイバー製の「グラファイ ポール」を採用しています。グラファイ ポールはインサルウッドよりも細く・軽量で安価なため、よりコストを下げるだけでなく、なるべく地域の農家さん同士で維持管理していくための手間を軽減しています。冬季間は柵全体を倒伏して、春先になると再び柵を立ち上げることで、豪雪による破損を防いでいます。参考商品 グラファイポール10型2000mm10本束(直径10mm 長さ2000mm)※クリップ別売 ご購入はこちら クリップ10型 50個入(グラファイポール10型用 通常タイプ )※ポール別売 ご購入はこちら その他製品は >>>こちら・参考記事簡易恒久柵(かんいこうきゅうさく)2-3.事例|牛用電気柵(放牧) 弊社実験農場(デモファーム)での事例です。毎年牛や羊などの家畜を導入しながら、新しい電気柵の設置試験や社内・社外研修の場として活用しています。 約10haの敷地に恒久柵を設置しています。毎年春にスタッフが柵上げ(倒伏した柵を起こすこと)を行い、雪が降る前に倒伏しています。20年近く使用していますが、補修するところは毎年ごく一部で、主にその年に入った新人スタッフが研修として、補修・管理しています。参考商品 インサルウッド#1090(絶縁性木柱) ご購入はこちら [インサルウッド固定部品]パーマネント用ワイヤータイ100個入 ご購入はこちら その他製品は >>>こちら2-4.その他事例|バイパスワイヤーを使った事例 北海道内の事例です。鹿対策として導入いただきました。さきほどの恒久柵と違う点として、まず、支柱は一度設置したら回収しなくて済むよう単管に。電気柵ワイヤーは「バイパスワイヤー」を使用しました。バイパスワイヤーは鉄線のワイヤーを編んだ電気柵ワイヤーです。恒久柵で使用するフェンシングワイヤーほど固くなく、柔軟性があるため施工がしやすいワイヤーです。恒久柵のように、積雪による破損を防ぐために倒伏を行えるよう設計しました。雪が降る前に、緊張を弛めてワイヤーを地面に倒します。雪が解けたら、緊張をかけてワイヤーを再度ピンと張ります。このようにワイヤーを「回収」するのではなく「倒伏」 することで、積雪による破損を防ぐことができます。ポリワイヤーを使う一般的な「簡易電気柵」よりもコスト面がかかってしまいますが、豪雪地帯ではこのような電気柵の張り方も可能です。参考商品...